けんたろう

歌うつぐみがおりましたのけんたろうのネタバレレビュー・内容・結末

歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

歌、歌、歌! ジヨジア!


人気者でお調子者。可笑しく陽気で、忙はしなく。女大好きテキタウ人間。然しながら、遣るべきことは遣つてのく。飄々と進みゆく其の様は、何んとも可笑しく、又た何んとも快し。ギリギリの生活ながらも遣りきりたる彼れの姿には、何度も笑うてしまうた。

然し、斯ういふ映画に於いてはまさかの結末。一つ前に観た『ジャンヌ・ディエルマン~(タイトルが長すぎる。省略)』とは亦た異なる、日常の崩壊が描かれたり。
──処が! 嗚呼、何んて最後だ。再び動き出す時計の静かでユウモラスなる、然し此の上なく示唆に富んだ物凄きラスト! お陰様で情緒も回復。蓋し、最高の終幕である。