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郵便配達は二度ベルを鳴らすのkazu1961のレビュー・感想・評価

3.6
▪️JPTitle :「郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942)」
ORTitle:「Ossessione」
▪️First Release Year : 1942
▪️JP Release Date : 1979/05/26
▪️Production Country : イタリア
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-215 再鑑賞
🕰Running Time : 126分
▪️Director : ルキノ・ヴィスコンティ
▪️Writer : ルキノ・ヴィスコンティ、マリオ・アリカータ、ジュゼッペ・デ・サンティス、ジャンニ・プッチーニ
▪️MusicD : ジュゼッペ・ロゼーティ
▪️Cast : マッシモ・ジロッティ、クララ・カラマイ、フアン・デ・ランダ、エリオ・マルクッツオ
▪️Review
🖋モノクロの陰影の濃い映像だからこそ、より蒸せ返るような官能と圧迫感がジリジリと伝わってきます。夫殺しのサスペンスというより、不倫カップルの愛欲の息詰まった心情を淡々と描いた作品ではないでしょうか。

🖊本作は、巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督のデビュー作です。原作はアメリカのジェームズ・M・ケインの同名犯罪小説ですが、原作者の了解をとらず映画化したために大きな問題となり、公開差し止めや他国での公開ができない状態が続きました。日本でもヴィスコンティが他界したのちの1979年の公開となりました。その原作の舞台をアメリカからたイタリアに置き換え、陰影の濃いモノクロ画面を活かしながら、男女の愛欲をサスペンスフルに描いています。

🖋また当時ファシズム体制下にあったイタリアを舞台として、反ファシズムをも謳い上げているという、イタリア映画ネオ・リアリズモの先駆的作品と言われています。

🖋所見の時、一番気にかかったのが邦題の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』。この作品には郵便配達は出てきません。ジェームズ・M・ケインの原作小説のあとがきによると、以下のように書かれているそうです。

〜アメリカでは郵便配達はいつも玄関のベルを二度鳴らすしきたりになっている。つまり来客ではないという便法である。それに郵便配達は長年の知識でどこの何番地の誰が住んでいるかをちゃんと知っているから、居留守を使うわけにはいかない。二度目のベルは決定的な報を意味する。
それと同じようにこの小説では事件が必ず二度起こる。。。中略。。。自動車事故も二度、フランクも一度去ってまた帰る。そしていつも二度目の事件が決定打となるのである〜と。

🖋物語は。。。
イタリア、ポー河沿いのレストランを夫と営むジョヴァンナ(クララ・カラマイ)は、ある日店に現れた男ジーノ(マッシモ・ジロッティ)に魅せられます。まもなく関係を結んでしまったふたりは、やがて夫を殺すべく計画を実行に移しますが。。。

▪️Overview (映画. comより)
映画史にその名を残すイタリアの巨匠ルキノ・ビスコンティが、1942年に発表した記念すべきデビュー作。アメリカの作家ジェームズ・M・ケインの同名小説をもとに、原作の舞台を北イタリアに移して男女の策略と悲哀を描いた傑作で、40~50年代にかけたイタリア・ネオレアリズモの先駆け的な作品とも言われる。飲食店を営む夫婦のもとに、ジーノという風来坊が転がり込む。妻とジーノはすぐに深い仲になり駆け落ちを計画するが、いつしかお互いに疑心が芽生え始め、2人の関係は二転三転していく。日本では79年に劇場初公開。2017年には、「ルキーノ・ヴィスコンティ 生誕110年 没後40年メモリアル イタリア・ネオレアリズモの軌跡」と題した特集上映で、イタリア本国で発見されたフィルムをもとにデジタル修復された、本編126分の2Kリマスター版が公開となる。
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