ペコリンゴ

フランケンシュタインの復活のペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.5
記録。
ボリス・カーロフのフランケンシュタイン3部作最終章。

カーロフと並ぶ怪奇スターであり、ユニバーサルでの一作目で怪物役を蹴ったベラ・ルゴシとの共演というのはちょっとした因縁めいたものを感じずにはいられない。

25年の時を経て、フランケンシュタイン博士の息子に復活させられる怪物。前作で際立っていた、孤独な存在故の悲哀や切なさはやや抑え目。
でもルゴシ演じるイゴールに友情を抱きつつも、利用されて殺人を繰り返す様はやはり悲しく、根底のテーマは変わっていないように感じられる。

また、「カリガリ博士」に代表される、ドイツ表現主義の影響がこれまで以上に顕著に感じられ、歪んだ造形のセットや美術、それらが生み出す影の美しさがモノクロに非常に映える。

カーロフに怪奇スターの座を取って代わられた形のルゴシは、その気負いもあったのか、不気味で狡猾なイゴールを流石のオーラで見事に表現。

怪物の登場シーンがめっぽう少なめなのが残念。