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バーレスクのYOKのレビュー・感想・評価

バーレスク(2019年製作の映画)
4.8
出会えて良かった映画大賞2021にノミネートしたいくらい好き。はあ!好き!

■簡単にあらすじ
今作のヒロインは小さな街で教師をしている女性、ベティ。踊ることが好きで良くバーレスクの動画を見て憧れを抱いているもののふくよかな体型をバカにされる事もあり、自分に自信が持てないでいる。そんな時、友人が勤めるバーレスクであなたも踊れると言われ…


人間の体や見た目なんて人それぞれ個性の塊なんだからバカにしていいはずがない。けど、体型や顔つき、肌の色、生まれた地域なんかで差別されてしまうのよね。全部全部個性なのに。

とはいえ、他人は気にしてなくても自分が気になればそれって全部コンプレックスなので、他人に「気にすんなって!」って言われても、まぁなかなか難しいっすよね…。人間の心って複雑。

ヒロインである教師をばかにしているスティーブンが良い意味でクソガキ。ベティを馬鹿にしているんだけどベティが決して見捨てないの、ちょっと感動しちゃった。ベストを着続ける理由とか、なんでそんなツンケンしてるんや…とかいろいろ心配な点が多くて、もしかして私スティーブンのママなのかも?って錯覚した。(錯乱)

そもそも細い=美しいっていつからのブームなんだろ?って思って調べたら、一説に日本では1970年前後のミニスカブームが…ってのを見つけて、半世紀程度のブームなんだなぁって思った。これが長いか短いか分からないけど、せめて標準体重=ぽっちゃりって考えがなくなって欲しいなぁって思う。

もちろん太り過ぎも良くないけど痩せすぎだって良くないんだぞ!特に女の子の痩せすぎは生理止まったり、将来的に妊娠できにくくなったり、慢性的に冷え性になったりするんだから!しかもタイタニックみたいな沈没事故が起きた時に生き残る可能性が高いのはふくよかな人なんだって昔なんかで見た!みんな、最低限の脂肪は体に蓄えておこうな!あんな豪華客船乗ることそうそうないだろうけど!!!

ベティを見出してくれた先輩女性がどこまで行っても見た目も中身も美しくてたまらんかった。ダンサーの子達も決してベティをバカにしたりすることなくダンスに勤しんでいて、素敵な職場だなねぇなんて思って泣けた。(涙脆いマン)

身近な人にほど応援して欲しいものなのに、なかなかそうもいかないって現実キツイよなぁ。特に親兄弟は身近すぎるが故に、馬鹿にされることがないよう、他人に傷つけられることがないよう守らなきゃ!って気持ちな働いて保守的になり素直に応援できんのかもなぁ。

ベティめちゃくちゃ良い先生だからたとえ趣味で服を脱ぐようなダンスをしていても、私は先生でいて欲しいなぁって思っちゃう。けど、子がいる親の意見は違うんだろうね。私は子がいないので、どうしたって自分が「生徒だったら」って目でしか見れないので。シンプルに、せんせー格好いい!ってなっちゃった。

基本的にベティが前向きで前進あるのみ!って感じの子なのでシンプルに応援できた。どんどん自分に自信を持って服装やお化粧、髪型なんかも美しくなっていくのは観ていて楽しかったし、私も私というベースで綺麗になりたいって思えた。

もちろん挫折するシーンもあって、矢継ぎ早にショックな事が起きて上手くいかないこと続きなんだけど、味方でいてくれる人がいてほっとした。あと母ちゃんはちょっと放っといたれ。

そもそも痩せればよくね?って思っちゃう人にはあんまり向いてない映画かもしれない。確かに綺麗になるための手段としてダイエットって手はあるけれど、この作品は「ありのままの自分を否定せずどう生きていくか」ってのがテーマだと思うので。

ベティがテレビ番組で喋るの、いまいちみんなまともに聞いてないし司会者も若干バカにしてるんか?って思えるような箇所があっただけに、堂々と語り踊るベティが格好よかった。泣いた。

自分もデブで散々馬鹿にされ、色々無茶ことして痩せた身なんだけど、もう少し自分を大切にしてあげようって思えた。定期的に見たいぞ、この映画!出会えてよかった!乾杯!

私、ベティ、好きー!!!!!!
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