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バーレスクのSPNminacoのレビュー・感想・評価

バーレスク(2019年製作の映画)
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映画はゴージャスでセクシーなバーレスク・ショウで幕を開ける。が、主人公はそれを憧れの目で見て真似するプラスサイズの教師ベティ。やがてそんな彼女が自らステージに立ち、自分の身体を誇りにしていく物語。
テンポの速い展開でわかりやすい脚本だけど、台詞がストレートに説明的であり、そこが垢抜けないっちゃ垢抜けない。でも、活き活きと踊るベティのバーレスクがたっぷり丁寧に撮られていてワクワクする。本格的にバーレスクを演じたEva Hacurováがとてもチャーミングなのだ。ヘイリー・スタインフェルドとエリザベス・オルセンを足した感じの表情豊かなベビーフェイス、ステージ衣装が映えて本当に美しいし特に脚がきれい。
体型を生徒にからかわれ傷つくけど、ベティはずっと踊るのが好きで、他人の押し付ける価値観から自由になりたがっていたのがよくわかる。そして、自分の身体を人前で披露するようになったベティはもう、憧れられる側だ。
だって、他人の身体をジャッジする人たちがいるせいで、誰しも完璧じゃない自分の身体に自信がないから。自分もさぞ嫌な経験をしてきた母親は、娘にも自己否定を押し付けてしまう。それもよくある話。そんな悪循環を打開するためベティは自分が見本となり、「先生」としても奮闘する。自分事だけでないからこそ、また強くなれるのだった。
華麗にショウアップするバーレスクのテクニックや芸術性という面もしっかり見せて、真剣に堂々と踊るダンサーたちにうっとり。テーマ曲っぽく使われる“Girls Just Want to Have Fun”の通り、チェコ産の気持ち良いエンパワメント映画。
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