たにたに

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

【妄想の集合体】2022年6本目

今年の新作1発目にして、伝説的映画の一本を味わう。
全米での興収もTOP10に入った。
それだけ今作への期待値はかなり高いもので、様々な噂が飛び交い、リーク動画なども後を絶たなかった。

とんでもない作品になることは予想されていたが、見事ファンへの期待に大いに応えた形だ。まさに、ファンの妄想を叶えてくれた夢のような作品。

2002年のトビーピーターのスパイダーマンが公開されて、約20年。
その20年の想いをマーベルスタジオとソニーが手を組み、集大成とした。

◉過去作ヴィランの登場
トムホピーターが、彼らの運命を理解し、スパイダーマンとの戦闘による死を回避させようとする、という他に類を見ない展開には驚きました。
ヴィランの運命を変えてあげる、つまり、負に堕ちてしまった人生にメスをいれようとした。悪を成敗することだけがヒーローの役目ではないということだ。

私は運命というものは、幾ら足掻こうが変わらないものだと捉えており、バックトゥザフューチャーのように、過去を変えてしまうことは危険をもたらすものだと思っている。
トビーピーターやアンドリューピーターがベン叔父さんやグウェンを亡くしたのも、運命だ。その後悔により、"大いなる力には大いなる責任が伴う"という台詞に深みが出る。
今作ではマルチバースからやってきた全てのヴィランは元の姿に戻ることに成功した。なんでもありになってしまった感は否めない。

エンタメ映画的には100点であるが、マーベルスタジオはマルチバースという大いなる力を所持したことになり、そこには大いなる責任が伴ってしまった。ぜひ今作の疑念に応えていってほしい。

でもね。わかった。
こうやって皆、マーベルの虜になっていくんだなと。
映画ってこうだから面白いんだと。
映画の可能性に無限を感じた、こんな感動作は本当にないと思う。

この映画製作に関わった全ての人の思いが、こんなにひしひしと感じられるのって本当に奇跡です。


◉3人のピーターが抱き合う瞬間がくるなんて
マルチバースに存在している自分をすんなりと受け入れてることが面白いが、それぞれ同じような運命を辿っている事も興味深い。大切な人を亡くす、辛さをみな持っている。言ってしまえば、自分のことを自分で慰めている構図。自分のことを他人と捉えて、客観視する究極形態。


◉トムホピーターの独り立ち
トニースタークはいない。
そして、今作でメイ叔母さんを亡くした。
アベンジャーズの仲間、愛するMJや親友ネッド、さらにいえば全人類からも自分の記憶は消えてしまった。

どこかわがままで、あどけさの残るトムホピーターが一人前の男になる瞬間を最後まで見届けたい。
たにたに

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