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ジャンゴ 繋がれざる者のabeeのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.5
【ジャンゴ、愛のハンター】

「ジャンゴ」。
なんて、口に出したくなる響きでしょう。

安定の「タランティーノ印」が付いた文句なしの傑作。

歯科医師の賞金稼ぎ・Dr.シュルツにより、指名手配のブリトル兄弟の顔を知る黒人奴隷・ジャンゴは買い取られ、共にブリトル兄弟を探す旅に出る。
Dr.シュルツに賞金稼ぎとしての才能を見出されたジャンゴはシュルツと手を組み、共にバウンティ・ハンターとして行動することに。

タランティーノのオタクっぷりが存分に味わえる作品。

「プロローグ」、「ブリトル兄弟」、「修行を経てバウンティハンターへ」、「キャンディ・ランド」、「逆襲」、「エピローグ」と章に分けられたような構成の仕方は往年の映画の展開を思わせます。
また効果音も、日本のアニメっぽい使い方がしてあってどこかダサさを感じるところが良い。どアップで「どん‼︎」みたいな感じとか。
カメラの寄り方とかもちょっと古臭い感じがダサカッコいい。

それに俳優陣のオーバーアクションがダサカッコ良さに拍車をかける。
レオさまと特にサミュエル・L・ジャクソンはもう最高。
その過剰な演技でクソっぷりが止まることを知らない。

全体的に西部劇だけど勧善懲悪なヒーローものとして楽しめるし、それは日本の時代劇のように悪代官を懲らしめる義賊のような、そんな分かりやすいストーリーでとにかく面白い。

それに、いちいちくっさいセリフがまたこの映画の雰囲気を上げてくれます。
ホント、笑えてくるほど過度にくっっさいんですけど、それがいいんですよ。

タランティーノご本人も出演する出血大サービス。
例に漏れず、1番派手に死にます笑
いかに面白く自分を殺すか、そればっかり考えてるんじゃないですかね、彼は。
現実には、どんなサプライズな死に様をみせてくれるのか、楽しみでなりません。
死に様とは生き方ですからね。

ということで、「タランティーノ印」ではありますが、いつもの「無意味な会話劇」があまり出てこないのでより見易いのもあって長尺なんて全く気にならないです。
コントに徹したような、ストーリーに関係無いやり取りはあったりしますが、そこはお笑いパートとして楽しめますから。
そう、お笑いパートがふんだんに盛り込まれているのも本作の特徴ですかね。
根底にあるメッセージが重く、デリケートなものですから。バランスが上手く取られています。

いやぁ、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の公開が待ちきれないなぁ…
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