新潟の映画野郎らりほう

水曜日が消えたの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
1.3
【ドラえもんだらけ】


目覚めで幕開いた後、屋内の家事/雑事を経て朝食に至る迄 延々と続く“独り言”に先ず辟易する。

大量の付箋と乱雑な屋内状況、其に対する中村倫也のリアクションに依って表出すべき世界観を、簡便に科白で説明してしまう稚拙さ。
その後もモノローグで延々続く説明。主題的要因子“シルエット/ミラージュ”を仄めかす筈の陰影/鏡面を、まるで意識していない無頓着な照明と構図。図書館、読み聞かせ、警察官…、ディティールへの希薄な執心は 間の抜けた絵面と為る。自室/図書館/施設と限定された屋内外ロケーションも、主題的必然より前に映画としての小ささを目立たせる。逆にサイドミラーは逆効果、5~6度も 挿し込まれる“回想”の異様なくどさは尺を稼ぐ為か、“説明強迫症”か。

限定されたキャスト、照明等スタッフワークの拙劣、回想場面多用に依る水増しと、相当なローコストオペレーションである。

長編第一作と聞き 得心すると同時に、コロナ禍中の製作で やむを得なかったのだろうか、等とも思った。




《劇場観賞》