ぐりんでる

リチャード・ジュエルのぐりんでるのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
4.3
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正義感と志の高いリチャードはイベント会場での警備の最中、不審物を発見しその的確な対応で爆弾テロの被害を最小限に抑えるに至る。
その事で英雄として取り上げられるのも束の間、FBIにより筆頭容疑者としてマークされたことで事態は一変してしまう。
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2020「おいしい役所すぎるで賞ーが!」(俺の中で)を取ったことでも非常に馴染み深い小粋なワトソン弁護士。

ワトソンの中での物差しが、仕事や肩書きとかじゃくてちゃんと人を見ていること。

一方、”犯人を捕まえる”という仕事に囚われるあまり本質を見失ってる正気とは思えないFBI捜査官と、
スクープのためなら想像力と判断力というかなんか大事なものが欠落してる記者。

法の執行者として両極にいて対立する二者🙂🙃
その間にいる大当事者のリチャードは法の執行っていうある種の”正義”に盲信しすぎてる。
自分が疑われている状況下ですら、FBIの仕事に敬意を抱いていて、半ば率先してFBIの手口に協力しちゃう。弁護士に注意されてもやっちゃうからたまにイラッとさせてくれるんだよね😀

でも、だんだんとリチャードも自分が信じる正義とFBIのやっている正義が乖離していると気づいてその想いをぶつけるのはよかった。

リチャードもFBIも記者も総じて、ワトソン以外はある種”仕事”に呪われてるような人たちばかり。
仕事ってすごい破壊的な言葉だと思います。「仕事だから」って言えば問答無用で「仕方ないね。」みたいな風潮だったり、「仕事だから」って大手を振れる風潮、

なんか仕事って言葉に盲目になりすぎてる。仕事なら何してもいいのか、何されても仕方ないのか

仕事をする側も、仕事に影響される側も少し仕事って言葉の向こうにある、何の為の仕事なのか?その意味を考えるのは大事なような気がしてきました。
特に人の一生に関わるような事なら尚更、真実に寄り添う努力をしてもらいたい。

なんて思ってしまったが、こんなクソみたいな仕事して生まれたニュースでも、自分も見たらリチャードやばいやつじゃん!って余裕で囚われるんだろうな。

とにかくサムウェル演じるワトソン弁護士がめちゃくちゃかっこいい🤤

ワトソンみたいに、目に映る事以上にその根っこにある人の気持ちを汲み取り、物事の真髄を見極める思慮深さを身につけたいもんだと2、3日くらいの間は思えました。いい映画でした🐯