るるびっち

劇場版 奥様は、取扱い注意のるるびっちのレビュー・感想・評価

2.1
不味い食事は箸が進まないものだが、不味い映画は筆が進む。
勿論悪口として・・・ファンの方ごめんなさい。
テレビドラマの方は、きっと面白いのでせう?
本作は伏線が酷い、というより伏線になっていない。
手品で言えば、仕込みやタネがバレバレという感じだ。
マギー司郎を始めとするマギ一門下が手品の下手クソさを売りにしているが、あの人たちは本当は上手いのをワザと下手に見せている…ハズ。
伏線とは、本来観ている側に真意を気付かれないようさりげなく仕込むものだが、いつコインを隠したか、いつカードをすり替えたのか見え見えだった。ワザとなのか? これはマギー映画なのか?

・コスプレの謎の女性らしき人物が悪人退治している部分。
・綾瀬はるかが、いつ記憶を取り戻したのかという部分。
・最後の絶体絶命のトリックなど。
それらに騙される人は、ほぼ居ないだろう。
ネタばらしされても、ですよね・・・だから?
という感じで驚きは皆無だし、話への興味も下がる。
コインが右手にあるのが見えているのに「消えました」と言われても、それに拍手できるなら随分優しい人たちである。バファリン並みだ。

結局最後のクライマックスに至る30分以外は、すごく退屈だった。
序盤ダラダラしていると評した人がいたが、その人はまだ忖度している。序盤どころか、一時間半ダラダラしているのだ。
結局の所、最後の30分のアクションだけが見所だった。
アクションは真剣に頑張っていた。中々のものだ。
綾瀬はるかがビルから宙ぶらりんになる際、敵の長髪を掴んでそれがカツラで、カツラごと落下するのかな? と思ったらそんなベタなボケはなかった。アクションに関しては真剣なようだ。
タイトルの割に笑えるシーンは無い。
あとは水増し。
だから毎回アホのひとつ覚えみたいに、チンピラが老人側を襲うシーンを何の進歩もなく何回も繰り返せるのだ。
水増し感覚でなかったら、普通は流石に変化なさすぎと書き直すだろう。一時間半、話が進まず足踏みしている。

やるかやられるかのスパイ生活ではなく、愛する人との平凡な日常こそ大切にしたかった。というメッセージならば、それが解り切った事のように見せては観客の心に刺さらない。
まったく違うことを考えているとミスリードして、実は本心は意外にそんな純真なことだった、と見せなければ印象に残らない。
コインがずっと手の中に見えていて、「そうなのか!!」と思わないよ。
ダラダラ平和な日常を見せられても、退屈に思うだけで効果的ではない。演出プランが間違っている。

天然綾瀬を生かして、日常に襲い来る問題や暴漢を何故か奇跡的にすり抜ける。覚醒しているのか、単に天然で助かっているだけなのか?
最後まで判別つかないように描けたら面白いけど、無理でしょうな。
マギーさんでは無理。トップマジシャンでないと。
映画だけでなく、ファンやマギーさんまでディスってしまった💦
ホント・・・取り扱い注意の一作ですm(_ _)m
るるびっち

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