このレビューはネタバレを含みます
メキシコの陥没孔セノーテに潜るドキュメンタリー。酔うから勘弁してくれというカメラの動きばっかりでした。
強い意志を感じないカットばかり。魚がいたから撮りました、というような。絶対的な志向性のあるカットとは思えませんでした。美しいと思える箇所はありましたが、狙ってる感があって今ひとつ。
撮っている場所もロープは張ってるし空気溜りだらけだし、既にダイビングスポットになっている様子。どこが神聖なんだ。暗闇も入り口からえらく近いし「浅っ!」と思ってしまいました。
マヤと大して関係なさそうな闘牛のカット。インタビューもセノーテの神性は既に失われていることを窺わせるものばかり。世俗化したセノーテを表したかったのかな。その割に子どもにマヤの詩読ませてるし、何がしたいのか分からない。
フィルム撮影はいいとしても、朗読の音量音質は何とかならなかったのかなとも思いました。牛の声もうるさいだけ。
ゴリゴリのアートフィルムの雰囲気が強すぎて、美術館で上映した方がいいのでは、と思った映画でした。