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コンフィデンスマンJP プリンセス編のトルーパーcomのレビュー・感想・評価

3.5

#コンフィデンスマンJP
長澤まさみ主演の人気シリーズ映画第2作。2021/9月、マスカレードナイト公開タイミングだからか、長澤まさみ映画がアマプラ無料にたくさんきています。
三浦春馬/竹内結子が楽しそうに出演しているのがちょっと複雑。

■編集のテンポ感
キャラクターやプロットの楽しさもありますが、このシリーズの魅力はやっぱり編集のテンポ感だと思います。
台湾/シンガポール/東京/マレーシア、一エピソードごとにどんどん切り替わる冒頭のテンポ感/サクサク進む展開が心地よい。予算がなかなかとれない邦画界では珍しく、海外ロケも多くて映像的にリッチ感があるのも良い。

タイトルが出るまで~計画の冒頭10分くらいでワクワク感が高まる編集の時点でもう自然と評価が高くなります。



<以下、ネタバレあり感想>


■長澤まさみ
「私たち史上、断トツ最大のオサカナよ!釣ろうよぉ~(カップヌードルズルズル-」
「ミシェルフー、17歳でぇす。パパはぁ、いつもシンガポールの...ちょ待て待て待て待て」
「マリーナベイサンズのプール借り切って...全裸で、泳ごうぜ(ドヤァ」
「この年でドラゴン桜やるとは思わなかったわ」
「完全に、監禁されたッ!こういうのなんて言うのかなあ... あっ、地獄?」

振り切った演技から飛び出す数々の珍セリフ。
長澤まさみ演じるダー子の相変わらずの突き抜け感が最高。


■関水渚
今作の実質的主人公「コックリ」を演じた若手女優
地味モードからシンデレラ的に変身する彼女のビジュアル、ちょっと広瀬すず感ある。ラストの海辺のシーンの海街diary感。
シリーズものは長くなってくるとマンネリ化するが、今作は彼女の存在が作品を引っ張っていたMVP。

テニス下手なシーンなどの芋感があるから、クライマックスの姿が映える。シリーズ未見でも彼女を追っていればしっかり作品を楽しめる。


■3姉弟
大富豪レイモンドフウの遺産を狙う3人の子供たち、みんなキャラクターが良かった。日本の芸能人を使ってるのに、ちょっとアジア訛りな日本語でちゃんと外国人感が出てるのがよい

・ビビアンスー:長女役。オーラのある嫌な奴感が秀逸
・古川雄大:カラコンとメイクの効果か、東アジアの富豪感が◎
・白浜亜嵐:クリスウーとかあのへんに似たベビーフェイスな中華アイドルっぽい雰囲気が◎


■その他
・小日向文世:安定の存在感。

・東出昌大:いつも通り安定の棒感ある演技がもはやキャラ立ちになってて一周回って好き

・小手伸也:安定のコメディ担当

・三浦春馬:本作がシリーズ最後の出演か。キャラ立ち抜群だったので今後のシリーズ展開が不安。

・竹内結子:同じく本作が最後。こんなに楽しそうに演技してたのにな...

・江口洋介:赤星はこのシリーズではダー子たちにやられすぎてて、恐ろしい人物の設定なのに出てきただけでニヤニヤしてしまう。「馬鹿どもがぁ(涙目」は良かった

・柴田恭兵:出演時間は長かったけども、劇中ほぼ唯一真面目な人なのであまり面白くはなかったかな。これだけ老けてもカッコいいのは流石だけど

・濱田マリ:品のないオバサンを演じさせたら抜群

・前田敦子:うさんくさい大阪のおばちゃん的な役。こんなんもやるんだな

・広末涼子:ひさびさの再登場だけども、割とどうでもいい役割で残念

・滝藤賢一:ここ数年いろんな映画ドラマで良くみる気がする。キャラ立ちしていていい役者

・デヴィ夫人:ちらっとゲスト出演するだけで本物の富豪のパーティ感が出る

・北大路欣也:この人がアジア一の富豪です、の絵的な説得力よ

・机の下に匿った人:最近話題のあの人がサプライズ出演。


【スコア】
★3.5で。
他人より優れていることが
高貴なのではない
本当の高貴とは
過去の自分自身より優れていることにある

オープニングのヘミングウェイの言葉ですが、正直いうと前作のロマンス編のほうがよくできていたかなあと思ってしまいました。本作はドラマ面は良いけれど、肝心の騙しのプロットの驚きは弱めだった。
絶賛製作中の次回作が過去作を上回る高貴な一本になることに期待。
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