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ファーストラヴのkuuのレビュー・感想・評価

ファーストラヴ(2021年製作の映画)
3.8
『ファーストラブ』
製作年2021年。119分。
ファーストラブ(初恋)
ほとんどの人が経験する淡い感覚。
幼きころに『初恋』を経験する人。
小学校、中学校、高校で『初恋』を経験する人。
大学生、社会人になって『初恋』を経験する人。
ある人は年上に、またある人は年下。
同性であったり、異性であったり。
時には父や母に対してだったり、息子や娘に対しての『初恋』だって無いとは云えない。

ストーリー
 父親を殺害した容疑で女子大生・聖山環菜が逮捕された。
彼女の
『動機はそちらで見つけてください』という挑発的な言葉が世間を騒がせる。
そんな中、事件を取材する公認心理師・真壁由紀(北川景子)は、夫・我聞(窪塚洋介)の弟で弁護士の庵野迦葉(中村倫也)とともに彼女の本当の動機を探るため、面会を重ねる。。。

北川景子の演技は、巧い下手別として、
『景子』だけに
『稽古』しすぎでか、
チカラ入りすぎてて逆に興醒めしたかな。
美しいのは変わりないウィッシュ🤟
一方、回りの俳優陣、特に芳根京子の演技力、表現力が遺憾なく発揮できてたかな。
北川景子と同じチカラ入りすぎであっても、役柄にマッチしてて物語に引き込まれた。
ただ、小生は原作の方が、己の空想と妄想を走らせれたし好きですね。
また、窪塚洋介の演じる我聞のような静だけど存在が大きい野郎に、野郎ながらトキめきを覚えました。

余談ながら

小生が『ファーストラブ』で思い出す詞&詩は
詞は村下孝蔵『初恋』
詩は島崎藤村『初恋』 
そのまんまやんけ~ぇ🥺。

『初恋 』
      島崎藤村
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

この『初恋』の詩の少女にはモデルが存在するといわれてる。
説としては、脇本陣の娘である大脇ゆふ、明治女学校教師時代の教え子である佐藤輔子、他には神戸の広瀬津祢などがいる。
『初恋』の少女のモデルは島崎藤村の明治女学校教師時代の教え子は(教師が生徒の少女に初恋をする)有り得ないと以前の小生は思ってた。
もしそうなら嫌悪感すら覚えてし、理解できなかった。
しかし、歳も重ねてきたしか、本作鑑賞後は、初恋には社会通念は通用しないものもありえるんかなぁと普通に受け入れてる己を感じた。
『初恋』がたとえ教え子でもあり得ると。
ただ、社会通念がいかなるものにせよ、いびつな初恋には事件の薫りが立ち込めるし、
この作品は、そないないびつな初恋のアレコレのアンソロジーを集約したらこない物語が生まれたって感じのプロットとも云えなくはないかなぁと。
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