むぎちゃ

藁にもすがる獣たちのむぎちゃのレビュー・感想・評価

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)
4.4
ラッキーストライク、バッターアウト


かなりしっかりと見応えのあるサスペンスになってた。面白い。

派手などんでん返しはなかったけど、登場人物たちがいよいよ遂に絡み合っていく演出はかなり良かったし、実際この映画の大きな山場はここだろう。
正直なはなし、バラバラのストーリー展開で顔も名前も覚えられないモヤモヤが続いていたから、各ストーリーが噛み合っていくとどんどん整理がついてきて宿便が流れるような気持ちよさもあったんだよね。これがホントのカタルシスってね、HAHAHA!!

個人的に好きなのは各章のタイトルバックが最後に排水口と血流に帰結する瞬間。いやー痺れたねー。
そしてこの演出により、これまでの章から成るストーリーは完結し、その後の展開は獣たちの宴からは外れたものになるはず。
つまりバッグの行方は…。

何度もテレビで流れる凄惨な事件、そしてそれらが右から左へ流れ去っていく世間。
こんな大騒動を巻き起こした獣たちですらその中の一端でしかない。
もしかしたら世の中は藁にもすがる獣たちで溢れかえっているのかもしれない。

あと近年の韓国映画って、オープニングとエンディングが帰結する演出好きだよね?
所謂定石通りの手法ではあるけど、やっぱり観てる側に気持ちよさあるよねこれ笑
むぎちゃ

むぎちゃ