Omizu

EMMA エマのOmizuのレビュー・感想・評価

EMMA エマ(2020年製作の映画)
4.0
【第93回アカデミー賞 衣装デザイン賞、メイク&ヘアスタイリング賞ノミネート】
売れっ子アニャ・テイラー・ジョイがジェーン・オースティンの古典小説の主演を務めた作品。監督は本作がデビュー作となる写真家オータム・デ・ワイルド。

原作小説を読んでいないのでどの程度脚色しているのかは分からないけど、デビュー作とは思えないタイトで美しいビジュアル構築が素晴らしい。衣装デザイン賞ノミネートも納得のパステルカラーを基調とした素晴らしい衣装。しかもそれを着るのが今をときめく売れっ子アニャ・テイラー・ジョイときたらそりゃもう!

母と一緒に観たんだけど、この時代の小説の研究家である母からすると「こんなの『エマ』じゃない!」ということらしいです。そもそもこんな深刻な話じゃないし、鼻血の演出は冒涜だと言っていた。

まあ確かに鼻血は意味あったかな?とは思う。アニャの演技力だけで十分説得力あったと思う。

とはいえエマにしっかり感情移入させるだけの演出や演技は素晴らしいと思ったし、コメディ要素もイギリスらしい少し皮肉な感じでよかった。

屋敷の美術や自然の撮影は見事で、この世界観に説得力を与えていたと思う。

エマが後半思わず言ってしまう一言は誰しも経験あるのでは…その場のノリと勢いだけで言ってしまって一瞬固まって「あっ」となる感じ。「分かる〜!」と思ってしまった。

ただやはり配役に難ありかな。ミア・ゴスはいいし好きな役者だけど、ハリエットという役には合わない。またナイトリー役のジョニー・フリンもこの役っぽくはない。

でも(オースティンの『エマ』としてはどうかは置いといて)監督デビュー作としては申し分ないし、アニャ主演作としてもかわいいアニャが堪能できて最高。

バシッと決まったビジュアルな衣装や美術の色彩も見事で個人的にはかなり好き。
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