あすとろ

ブレイブ 群青戦記のあすとろのレビュー・感想・評価

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)
2.6
「想い」を継承した先に何が待つのか?

※ストーリーはfilmarksに記載されているため省略させて頂きます。
Twitterでも感想を投稿しています→https://twitter.com/a_stro_07/status/1372425612288172033?s=20

割と公開されてすぐ、くらいに観に行ったのですがだいぶ感想に困る作品だったので後回しにしておりまして…
で、文明の利器(YouTube)の発達のおかげで制作陣の「こだわりポイント!」みたいな動画がちょこちょこ上がっていたので「見た時の記憶を呼び覚ますためにも見るか!」と思ったら観た直後より評価が下がった、というどえらい作品でしたが…頑張って書きます。

この手の作品ではありがちの「タイムスリップした事実をどれくらいで受け入れるか問題」だったり「やられた同級生の悲しみを割り切る問題」がだいぶ豪快で、タイムスリップした事の受け入れ方も「明日雨降るらしいよ」「あ、そうなんだ」くらいの軽さと速さで、目の前でそれなりに苦楽を共にしてきた仲間がやられたのに次の場面では「よし!切り替えてこう!」みたいな空気になってて「おっと????」とはなりました。
(まあここで時間割いたら何も描けないからしょうがないとは思うけどそれでもよ…もうちょっと悲しんでやってよ……)
それに冒頭10分で結構豪快な不要人員削減があってそれがまぁ容赦なく映してて「罪なき学生たちが殺されるとこんな感情になるんだ…」と勉強になりました。

パンフレットで本広監督が「よくある設定の作品を現代版にアップデートした」みたいなことを仰っていたのですがあまり感れじず…
冒頭で敵が攻め込んで生徒、教員たちの血祭シーンは確かにキャラと一緒に観客も世界観へ引き込みつつ、敵への恐怖を植え付けるというフェーズでは「恐怖演出」としては機能していましたがゾンビ風の味付けが「現代風か?」と問われれば、う~んといったところ。
また「その部活のプライドを持って戦う」というのがどうもミスマッチに感じて、「プライドより命とか大事にしないか…?」と感じました。
アクション監督の奥住監督の対談で「個々の部活の動きを混ぜたアクションを作ってほしい」と依頼され、落とし込んだらしいのですがあんまり感じれず…
野球部はバットと剛速球投げ、ボクシング部はチェーン付きのグローブで殴る、フェンシングは突く、と「まぁそういう動きになるよね」っていう感じで全然活かされてないように感じました。
アメフト部は刀だの槍持ってる相手にタックルで突っ込むって危険すぎるでしょ…
原作はそれなりに尺があったので戦う理由だったり、「自分が戦う」というプライドとかしっかり描いていたらしいのですがさすがに2時間尺の作品には無理でしたね。
「想いの継承」を裏テーマに作品を作ったらしく、確かにいろんな人の思いを受けて蒼が成長していく姿はよかったですが変に原作通りにしたせいで「死んだやつ全員の想いを背負わざるを得ない」みたくなっててなんか府には落ちませんでした。
原作改変してるんだし、もうちょいキャラ活かしてあげてもいいだろとは感じました。とくにラストとか。

キャストも制作陣も豪華で生温く実写化させたような作品では無いからこそ、原作とオリジナリティのかいつまみ方の下手さが浮いてしまっていて残念だったなと思います。
結構、青春作品的な甘酸っぱさだったりスポ根なドラマパートだったり、アツいバディ物の雰囲気だったり三浦春馬さんと新田真剣佑さんの掛け合いだったりグッと来るところや良かった部分はあったのですが「う~ん」といった感じでした。
ご覧になる方は「結構人が死ぬぞ!」と覚悟してご覧あれ!
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