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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。のkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
原題 The Conjuring: The Devil Made Me Do It .
映倫区分 R15+.
製作年 2021年。上映時間 112分。

『死霊館』ユニバースの第7作にして、実在の心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が調査した事件を映画化したメインストーリー『死霊館』シリーズの第3作。
シリーズを通してウォーレン夫妻を演じるパトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガが同役を続投。
ジェームズ・ワンがプロデュースを手がけ、デビッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリックが脚本、マイケル・チャベスが監督を務めた。

1981年、家主を刃物で22回刺して殺害した青年アーニー・ジョンソンは、悪魔に取り憑かれていたことを理由に無罪を主張する。
心霊研究家ウォーレン夫妻は被告人を救うため、姿なき存在を証明するべく立ち上がる。
警察に協力しながら調査を進める夫妻だったが、とてつもなく邪悪な“何か”に追い詰められていく

今作品は、ジェームズ・ワンの監督ではなく、2019年に戻って『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』というホラー映画を監督したマイケル・チャペスが指揮をとっている。
水太り悪霊はプチビビったし楽しいが、どちらかというと地味なホラー映画って感じたかな。
しかし、彼が以前にホラー映画を監督したことがあるちゅうことは、このジャンルにおいて全く経験がないわけではなかったということ、そして、今作品は、確かに
『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』よりも優れた映画やと個人的には思います。
この3作目が前2作と異なるんは、映画の舞台をどのように拡大したかということかな。
前作などは、ウォーレン夫妻が悪魔と消耗戦のような対決をするちゅう、ほとんど1つの場所に収められたモンやったけど、今作はそれをより超常現象の謎と調査の物語にした。
(調査の方はどうも御座なり感は否めない)
このため、前作にあった絶え間ないプレッシャーと緊張感が、ウォーレン夫妻に謎を解明するための手がかりを追わせる長時間の捜査の糸で途切れるちゅう、映画のダイナミックさに変化が生じたかな。
まぁ面白くて、最終的には(多少予測できたとしても)報われる価値があるんやけど、その結果、この映画はシリーズの中で最も怖くなく、緊張感のないものになってしまってるかな。
もし、本作品でホラーフリークげ恐怖のレベルを上げることを期待していたのなら、少しがっかりしてしまうかもしれへんなぁ。
とは云え、今作品が悪いちゅう訳ではないし、むしろ個人的には良かった。
そして、ウォーレン家のキャラ(ヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンの2人が相変わらず信じられるカリスマ性をもって演じている)に感情移入している個人としては、彼らのアホ臭い事を真摯にやるんを見られるだけでも、この映画は時間をかける価値があるったかな。
でもまぁ、彼らのキャラがいつまで視聴者の興味を引き続けることができるかは未知数っすね。
もし、もう1話続けるとしたら、何か突出したものを作る必要があると思うし、作っほしいと願う。
たとえこの作品がウォーレンの物語の最後の映画化となったとしても、派手な終わり方ではなかったにせよ、登場人物に別れを告げることができるほどの閉塞感はあったし、さようならウォーレン夫婦。
また、感バックするときは、ビビる感覚をバックさせてくださいなぁ。
余談ながら、今作品の法的な手続きは示されていませんが(ちょいそこがお粗末様)、
アルネ・シャイアン・ジョンソン事件裁判の判事は、悪魔憑きによる無罪の弁護の訴えを、そのような弁護は証明することが不可能であると述べ、また憑依の弁護を支持する証言を認めることは、『非関連的で非科学的』であると述べ、却下したそうです。
陪審員は、悪魔憑きの抗弁を考慮することは法律上許されず、ジョンソンの弁護士は、代わりに自己防衛を主張し、ジョンソンは1981年11月24日に第一級過失致死罪で有罪判決を受けたそうです。ジョンソンは10年から20年の懲役を云い渡されたけど、ムショ生活の行状が良かったのか、5年だけ服役し出所した。
彼とデビー・グラッツェルは彼が服役中に結婚し、映画公開の少し前に彼女が癌で死亡するまで仲良くしてたそうな。
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