こんなに主演が出ずっぱりの映画も珍しい気がする。太賀さんの顔を見放題で楽しかった。なんか馬鹿にした感想みたいになってるけど、そういう意図じゃなく。仲野太賀って顔がいいから。これも語弊あるな、「推しの顔がいい!」みたいな意味じゃなくてなんだけど、まあいいか。
この映画の思い切って説明しない態度が私は好き。こっちで察するべきところもあれば、多分ふつうに説明不足のところもあったかな。画面の明るさ暗さもいい感じ。東京ではないところに来ているなあ、という感じがする。
セリフも映画っぽさと本当っぽさのあわいをいく感じで素敵。ただ、認知症の高齢者がふと哲学的とも取れるようなことを言う、みたいなのはちょっと痒い。密漁の獲物を買ってくれるハンシャっぽい人のいかにも得体が知れないという描写も。キャバの店長の電話は好き。動揺してクイックルするたすくも。完全に好き嫌いしか言ってない。
最後はあれだけ叫んで、奥の団らんの声が玄関に届いているのに、奥から誰も出てこないという映画ならではのファンタジーがちょっと気になったけど気にする私が悪いと思う。映画だからな。
折坂悠太さんの音楽や歌声、この映画とめちゃくちゃ相性がいいなと思った。