牛猫

ナイトメア・アリーの牛猫のネタバレレビュー・内容・結末

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ショービジネスの世界で成功した野心家の青年の運命が、ある心理学者との出会いによって狂い始める話。

ギレルモデルトロ監督作ということでファンタジックなビジュアルとストーリーを期待して見に行ったけど、意外にも手堅く筋の通った作品だった。

序盤の舞台となる見世物小屋の雰囲気とか、個性的なサーカスの面々にはワクワクさせられたし、逃げ出した獣人を探しに入ったお化け屋敷のようなテントの中は「マーダーライドショー」みたいでゾクゾクした。
しかし、舞台を街に移してからはひたすら長い。歯止めが効かなくなって自分の首を絞めて行く様を冗長に描きすぎ。
展開も遅いし、街の有力者との降霊術のくだりは序盤のワクワク感がどんどん削がれていって眠くなってしまった。

占いとかもそうだけど、誰にでも当てはまるようなことを尤もらしく話して見せて相手を信じ込ませるって相当な技術がいることだと思う。それでもこの手の商売が廃れないのはいつの時代にも信じる人が一定数いるってことなんだろう。

精神科医を演じたケイトブランシェットは妖しさ満点でピッタリだったし、警告を促す読心術師のトニコレットも出番は少ないながら流石の存在感だった。

キャスティングは完璧だし、時代設定を反映した美術や衣装も細やかで目を引いたけど、肝心のストーリーが怠すぎて期待外れだった。
ラストのブラッドリークーパーの変貌ぶりと結末は良い具合にダークで余韻があったけど、この内容で150分は少ししんどい。
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