Mayo

ライド・ライク・ア・ガールのMayoのレビュー・感想・評価

4.2
あまり期待せずに見始めたけど、とても良い映画だった!
メルボルンカップで初めて優勝した女性騎手ミシェル・ペインの実話。
一昔前の話なのかと思っていたら、このメルボルンカップが2015年のことで、ミシェル・ペイン同い年だった!騎手は若くして活躍するだろうから私より社会に出たのは早いんだろうけど、同じ時代を生きて男性社会で闘っていた人がいたんだと思うと胸が熱くなる。

10人兄弟の末っ子であるミシェルが女性騎手として成長していく姿と共に、調教師でもあるパパとの関係もしっかり描かれる。
サム・ニール演じるパパは、救急車に10人の子供たち乗せてどこにでも行っちゃうシングルファーザー。口数は少なくて娘とぶつかることも多々だけれど、自分なりに娘を支える姿が泣ける。
色々な場所でラジオやテレビで必ずミシェルの試合を見聞きしているパパの様子が何通りも映し出されるんだけど、そのさりげなさがとてもグッとくる。

そしてなんと言っても、ミシェルの兄・スティービーを演じた、スティービーご本人がこの映画の要。ダウン症のお兄ちゃんなんだけど、ものすごく自然体でチャーミング。馬の扱いもさすがプロ!
彼がいることで、うまくリアル映像と繋ぐことができていて、変なところで嘘くささや無理がなく、伝記映画としてかなり成功していると思った。ミシェルとの関係、パパとの関係も素敵。

ミシェルの姉たちが言うように、女性騎手の世界は厳しい。女性騎手の控え室はなく簡易的に用意された物置のような場所だし、女性騎手に馬を預けてくれる人はいない。だからメルボルンカップにも出られるわけがない。

レース中に馬同士がものすごく近い中でものすごい勢いで走っている途中、のシーンがいくつかあったけど、あんなに至近距離で接していてもし接触事故や落馬したら…と思うと、ゾクっとした。そんな中で、何度怪我しても落ちても諦めないミシェルの姿に勇気をもらう。しかも、男性騎手しかいない中で。

もちろん最後に優勝して終わるので、最高に胸がスカッとします!

のちにメルボルンカップを一緒に走ることになる運命の馬と出会い、海岸沿いを走る美しいシーンがとても印象的だったなぁ。
Mayo

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