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マシニストのabeeのレビュー・感想・評価

マシニスト(2004年製作の映画)
4.0
【ネテモサメテモ悩める脳ミソ
誰かのものばっか欲しくなるよな
そんな寂しげな回路なんて
取り外せたら晴れ晴れ 笑えるDays】

不眠症に悩まされる男。
正体不明の何かに追い詰められてゆく。
小さな幸せを見つけても、いつも壊されてゆく。

何故、世界は彼を追い詰めるのかーー。

クリスチャン・ベイル主演。
役作りへの異常なまでの執念。
誰にも真似できないそんな側面が表に出始めた作品でしょう。

それはジャケットを見るだけで分かりますね。
ガリッガリに痩せこけた身体。
もうゾンビです。
あの背骨の浮き方は、まるで3枚におろした魚の骨の部分を焼いて作った貧乏せんべいのようです。

クリスチャン・ベイルが凄いだけでなく、ストーリーの展開の仕方も面白いんですよね。
どんどんと伏線を張り、その都度答えを提示しながらどんどんと裏切り、最終的に現実なのか妄想なのか、それすらも分からない。
冷蔵庫に貼られたメモがいい仕事しますよね。

途中辺り「ジョーカー」とちょっと似てるなと思って観てたのですが、彼が不眠症に陥った理由、追い詰められていく理由、そこから解放される方法、細かく観ていくと全然違う。
善良な男が堕ちていくその理由は罪悪感。

自分を恨まざるを得ない、そんな生き方をしてはいけない。
何があっても正直に生きようと、そう思ったのでした。
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