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潔白のkuuのレビュー・感想・評価

潔白(2020年製作の映画)
3.3
『潔白』
原題 결백 / Innocence.
製作年 2020年。上映時間 111分。
小さな村で起きた集団殺人事件を軸に母と娘の絆を描いた韓国製サスペンス。
ドラマ『黄金の私の人生』のシン・ヘソンが映画初主演を果たし、ベテラン女優ペ・ジョンオクが母を演じた。

幼少時から父に虐待されてきたジョンインは、現在はソウルで弁護士として活躍していた。
ある日彼女は、父が亡くなり、その葬儀場で農薬入りマッコリによる殺人事件が起きたことを知る。
多数の犠牲者を出したその事件の容疑者は、ジョンインの母ファジャだった。
十数年ぶりに帰郷したジョンインは勾留中の母と面会するが、母はショックのあまり急性認知症を発症し、娘のことを覚えていなかった。
母の潔白を証明しようと事件について調べ始めたジョンインは、村ぐるみで母を犯人に仕立て上げようとする不穏な空気を感じ。。。

今作品は、恐らく勘の良い方なら予想されるようにその後の展開によって、本当の原因が明らかになります。
脚本家のパク・サンヒョンは、法廷ドラマと捜査系ドラマを組み合わせることで、これを達成してます。
ジョンインは事件を聞いてソウルから故郷に戻り、ファジャの姉に雇われた無能な弁護士を引き継ぐことを決意。
ジョンインはファジャの娘でもあり、彼女の命は誰のものでもない。
父ちゃんの通夜の前に、彼女が帰らなかったのには理由があり、10代で故郷を離れることになった彼女の辛い過去が蘇るのも、このよくできたミステリースリラーの楽しみのひとつと云えるかな。
また、
犯人は誰や?は、
そもそも、何でこないな事が起こったん?ってことも重要ではない。
2時間の上映時間に、
貪欲、
罪悪感、
そして、和解と、
直感的で感情的な旅に導かれました。
ジョンインと母ちゃんとの関係は、自閉症の兄ジョンソ(ホン・ギョン)と同様に大きな要因で、彼女の過去の秘密は、驚くべき感情的な結論の重要な基盤を提供しています。
また、もう一つの側面は、村長とジョンインの父、そして、地元の村人の間の陰気で怪しげな取り決めに関わるものでした。
この手の話は、韓国作品ではしばしば描かれてることですが、お金と権力が、かつて親しい友人同士を対立させる理由かな。
今作品は、映画作品としては、それほど衝撃的な事実が明らかになるわけやないが、それでも、ひねりが効いてて、個人的にはかなり惹きつけられました。
また、加え今作品に重要なことに、2つつのサブプロットが互いに結びついていることで、幼いジョンインが、悲しき肉体的虐待を父ちゃんの手によって受けた運命が、最終的に家出することになったことをより痛切に物語っているとこです。
母娘が最終的に仲直りするのは当然のことやけど、ジョンインが仕事と私生活をどのように折り合いをつけるかは、この物語が巧みに操っているところでした。
女優のシン・ヘソンは、彼女の最初の主演の役割で、ニュアンスと冷静さでマジ輝いてました。
彼女は主人公の冷淡さを誇張してないけど、ジョンインの脆弱性、特に母親の容態をどう扱うべきかを心得ているようでした。
また、弁護士と証人の間の法廷シーンは緊張とサスペンスに満ちてたし、
有名キャストが出演しているわけではないので(私が無知ゆえ)、韓国映画の中でこの作品を見過ごしていたが、このドラマは勢いがあり、良い驚きに満ちていて、ラストには感動を与えてくれました。
韓国映画の中で素晴らしい作品の一つだと思います。
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