NoAceJustYou

食われる家族のNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

食われる家族(2019年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

2023/11/04鑑賞。54点。
ユジンは本当の妹だったのでは?と思った。
邪魔者は殺すのがユジンのやり方だが、ソジンのことはすぐに殺さずなるべく穏便に済ませようとしていた。
拉致されたにも関わらず【特別な子ども】ではなかったために生贄にされなかったことをコンプレックスに抱く異質さ、その一方で自分の手を離した兄に対する怒り、そして手を離さなければカルトとは無縁の普通の人間になれたかもしれない・・と仄めかすユジンは、複数の感情が同時に混在する描かれ方で好き。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
半年前に妻・スジョンを轢き逃げで亡くした建築会社社長のソジンは、催眠療法を受けながら犯人につながる証拠を思い出そうとしているが効果は出ず、辛い記憶を思い出す日々を送っていた。

そんな中、1996年に遊園地で失踪した妹・ユジンが見つかった・・・と児童福祉館からソジンに連絡が入る。
DNA鑑定をしたところ女はソジンのDNAと一致し、ユジンは両親の家で一緒に暮らすことになる。

母親が死んだことを知らないまま生活するソジンの娘・イェナは、ユジンに少しずつ懐いていく。

DNAが一致したとはいえユジンを疑っているソジンは、彼女の首の後ろにあるタトゥーが気になる。さらに、ユジンが勝手に理学療法士を住み込みで雇って足の不自由な母親の面倒を見させたり・・・と一つ一つの行動が目につき、家政婦のファンに行動を監視するように命じる。

ある日、ユジンとイェナ、ファンの3人で買い物に出かけたところ、「お前はペク・ソンヨンだろ」と鬼の形相でサンムンという男がユジンを追いかけてくる。
ユジンはサンムンを駐車場で殺害するが、現場の近くでユジンのコートのボタンが落ちていることにファンは気づいてしまう。
犯行がバレたと悟ったユジンはファンを殺害し、「男と駆け落ちした」と家族には報告して手紙を渡す。ユジンは、別の家政婦を手配して彼女のことも住み込みで働かせる。

轢き逃げ事件の捜査を担当するチュ刑事から、修復したドライブレコードの映像を見せられたソジンは、あることに気付いて再び催眠療法を受ける。
当時は事故現場に居合わせた見ず知らずの女だと思っていた人物こそが、ユジンを名乗る女だった・・・彼女は妻の死に何か関わっているのか?

真相を知るために調査をし始めたソジンは、以前一度会ったユジンの同僚看護師が売れない女優であり、雇われてユジンの知り合いのフリをしたと聞き出す。
さらにユジンを見つけた児童福祉館も存在しなかった。

ファンのことが心配なソジンはチュ刑事に失踪届を提出したいと相談するが、身内ではないため受理できないと言われる。
失踪直前のファンが買い物に寄った店の駐車場でサンムンという男の死体が見つかっていたことを知り、ユジンへの疑念はさらに深まる。

ソジンは、何らかの弱みを握られているユジンがサンムンを殺害したと仮説を立てて調査をはじめ、サンムンにはハヨンという子どもがいたが失踪していたことを知る。

実はユジンの正体はカルト教団【チャムジン教】の教祖だった。
ユジンは、両親やイェナを薬漬けにしてマインドコントロールしていたが、彼女に対して強い疑念を持ち続けるソジンのことは支配できなかったのだ。
【チャムジン教】は、【魂を癒す神】が特別な子どもの中に宿っていると信じており、ハヨンが選ばれた。儀式の途中で怖くなったハヨンは自殺を図り、ハヨンの代わりとして選ばれたのがイェナだった。
ソジンの亡き妻・スジョンも【チャムジン教】のメンバーだったが、自分の娘が生贄にされることを知ったため娘を守ろうとし、その結果事故に見せかけて殺害されたのだった。 

真実を知ったソジンは、ユジンにハメられて娘の虐待容疑で逮捕されるが、自力で警察を振り切る。そして、【チャムジン教】の儀式が行われる礼拝堂のある森に向かい、イェナを奪還する。
ユジンは、『兄さんが遊園地で手を離したせいで、私は【チャムジン教】に拉致された。だけど私は特別な子どもではなかった・・・だから私が特別な子どもを見つけないといけない』と。
ナイフを振り回すユジンは足を踏み外して崖から落ちそうになるが、彼女の手をソジンが掴む。
しかしソジンは、手の力を緩めてユジンを見殺しにする・・・それはかつて遊園地で"うっかり"手を離してしまった幼い時とは違い、明確な殺意を持って手を離したのだった。

両親や娘との元の生活を取り戻したソジンのもとに、DNA鑑定の再結果が届く。ソジンは結果を確認せずにシュレッダーにかけるのだった・・・。
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