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終わらない週末のNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

2024/03/03鑑賞。67点。
"困ったらイーサン・ホーク出演作を見ておけ。傑作じゃなかったとしても外さないから"と声高に言っているので、本作もチェック。(近年は比較的マシになったが)駄作量産でお馴染みNetflix vs イーサン・ホークの世紀の対決という側面も気になるところ。
アジア人嫌いのロバーツに黒人嫌い演じさせてて、不謹慎だけどツボに入った。
・ドラマ【フレンズ】の壮大なCM映画。
【フレンズ】の最終回が流れるラストだが、その衝撃度は【ザ・ソプラノズ】に匹敵するようなインパクト。
・【ザ・ホワイトハウス】から引用したエピソードも中々説得力がある。毎日神に祈りを捧げる男が暮らす家のすぐそばで氾濫が起きる。ニュースで氾濫が報道され、救助ヘリが駆け付けても男は家から離れない。「なぜ毎日祈っているのに、神は氾濫を止めてくれなかったのか?」と問うと、神は「あなたのために氾濫を知らせるニュースを届け、ヘリも送った。私は手を差し伸べた」と答える。
つまり、現実で起きることは自分でコントロールできないことばかり。そんな時に現実を否定するのではなく、向き合って何かしらの行動を起こさない限り、状況を好転させることなど不可能ということだ。
・そして、巷でシャマラン作品のようだと言われている本作。シャマラン的な要素は確かに納得。大きな違いは、"それが傑作が駄作かは別として、伏線とオチを明確にして視聴者にぶつけるシャマラン"に対して、本作は抽象的。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
マンハッタン在住のクレイ(演. イーサン・ホーク)とアマンダ(演. ジュリア・ロバーツ)は、ミドルティーンの長男・アーチーとローティーンの長女・ローズを連れて"終わらない週末“と呼ばれているニューヨーク郊外の別荘をレンタルする。

家族4人でビーチに行ったところ、制御装置が故障したオイルタンカーが乗り上げてくる。怪我人は出なかったものの、気分が落ち込んで一家は別荘に戻る。

夜中になり、別荘のオーナーである交響楽団の理事・スコット(演. マハーシャラ・アリ)と彼の娘・ルースがやってくる。
スコットによると、"ニューヨーク市内は電気系統に不備が起きて停電となっており、電気自動車も停止していてパニック状態だ"と。

別荘の中でもテレビやネット、ラジオは使用できなくなっていた。
スコットは「宿泊代の半分に当たる1000ドルを返金するので、地下室でルースと一緒に泊めさせてほしい」と頼み、クレイはOKする。アマンダは、スコットとルースに不信感を持って反対するものの、仕方なく泊めることに。

繋がらないはずのアマンダの携帯に"電気系統の崩壊はサイバーテロによるもの"という通知が届く。
クレイにその話をしようとしたものの、通知は消えていた。

一方スコットは衛星電話を手に入れるため、海沿いの家に住む知人を訪ねる。知人はおらず、衛星電話を見つけたものの役に立たない。
すると、飛行中の航空機が目の前で墜落。

クレイは状況を把握して助けを求めるため、1人で車に乗って街に向かう。その道中、スペイン語を話すヒスパニック系の女性に呼び止められるが、言葉を理解できないクレイは無視して車を走らせる。
上空に浮かぶドローンから赤いビラがばら撒かれ、怖くなったクレイは引き返す。
外では大きなノイズが鳴り響いている。

赤いビラを拾って帰宅したクレイ。
紙には"アメリカに死を"と記載されており、怖くなった一家はマンハッタン経由で実家のあるニュージャージー州に向かうことに。
しかし、ハイウェイでは無人の電気自動車が何十台も逆走しており、命の危険を感じて別荘に戻る。

スコットは一家を受け入れ、再び一緒に生活することに。アマンダはこれまでのスコット親子に対する非礼を詫び、スコットは受け入れる。
スコットはアマンダに対して、自身の職業が本当はアナリストであることを明かす。
スコットによると、「この事態が起きる直前、政府の要人から資産を移動させたいと依頼あった。一番恐ろしいのは、政府がこの事態を把握していたにも関わらず、打つ手がなかったこと。だから、要人は自分の資産の確保をしたのだろう」。

別荘の周りには数匹の鹿、プールにはフラミンゴの群れが現れる。
特に危害はなく、皆眠りにつく。

朝になり、目覚めたアーチーの歯が次々と抜ける。ローズは姿をしていた。
抗生物質を手に入れるため、サバイバル技術に長けているリフォーム業者・ダニー(演. ケビン・ベーコン)に助けを求めることに。

クレイとアーチー、スコットはダニーを訪ねる。
「歯が抜けた事象は、以前キューバでも起きた。その時もノイズが発生したんだ」とダニー。ショットガンを手に取ると、アーチーに抗生物質を渡すことを拒否する。
「隣人のソーンズは、地下室を改築して違法な核シェルターを保有してるから彼を訪ねると良い」と捨て台詞を吐く。
スコットが隠し持っていた銃をダニーに向け、ダニーもショットガンを構える。
銃を持っていないクレイが間に入り、「あなたが家族を守るのに必死なように、私も必死です。息子を救うため、あなたに頼みにきた」と。
ダニーは、クレイから1000ドルを受け取り、抗生物質を渡してやる。
最後にダニーは、「アメリカは敵が多すぎるだろ・・・ロシアに中国、イランに北朝鮮。その敵が手を組んで一斉に攻めてきたとしたら?」

車に戻ったクレイとアーチー、スコット。
スコットは「この国は内側から破壊・侵略されているのかもしれない。"国を内部から崩壊させる3つのフェーズ"について政府の要人から聞いたんだ」。

フェーズ1. 孤立→交通網・通信物の遮断
フェーズ2. 複数の混乱→誤情報や(大規模な)死者を生まない小さなパニックを発生させる(=アマンダの携帯にサイバーテロの情報を通知したり、ノイズ攻撃や電気自動車の暴走がこれに該当)
フェーズ3. 国民によるクーデター→フェーズ2が起きれば、国民は政府を信用しなくなり、やがて国民によるクーデター・内紛が起きる。政府はクーデターを抑えるために軍事力を投入する。そうなれば、侵略者は直接手を下さずに国を破壊・乗っ取ることができる。
※恐らくアメリカは、かつてキューバに対してこの3つのフェーズで攻撃を仕掛けた過去がある。今度はアメリカが、攻撃される側になったということ。

そしてスコットは続ける。
「この後のことについて口裏を合わせよう」。
※この発言は、核シェルターを保有するソーンズを訪ねることを指している。そして、ソーンズが敵対的な態度だった場合は、殺してでもシェルターを手に入れることを示唆してる

その頃、森の中でローズを探していたアマンダとルースは、鹿の大群に囲まれる。
大声を上げて鹿を追い払った2人は、マンハッタン上空に浮かぶキノコ雲を見て絶句する。

肝心のローズは、たまたまソーンズ邸を見つけていた。どうやらソーンズ一家はおらず、中に入ったローズは核シェルターを見つける。シェルターには、大量の食料と懐かしいドラマ・映画のDVDが。
ローズは、お気に入りのドラマ【フレンズ】を手に取ると、ずっと見たかった最終話を再生する。
※家の状況から見て、ソーンズ一家の生活した形跡がないため、彼らは別の場所ですでに死亡してる可能性が高い
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