NoAceJustYou

オールドピープルのNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

オールドピープル(2022年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

2024/03/03鑑賞。62点。
不穏な空気が続く前半で期待が膨らんだものの、ゾンビ風展開になったせいでありきたりな映画になってしまった。とはいえ、アイデアや作品の空気感はGood。
これだけアグレッシブな老人たちなら介護ホームに入居させる必要ないんじゃない?と思ったんだが。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
かつて邪悪な魂は、一家で最も力の弱い老人に憑依すると考えられていた。

ドイツ。
エルダーケア社の訪問ヘルパーが、孤独な老人・ラインケの自宅を訪ねる。
ラインケは、ヘルパーに対して「助けて」と言いながら酸素ボンベで殴り続けて殺し、悲痛な雄叫びをあげる。

孤独な生活を送るラインケは、"必死に生きてきた結果、虚しく人生の幕を閉じる"ことに耐えられず、悪魔と契約したのだった。
悪魔に憑依されたラインケは、田舎の村・ザールハイムの老人ホームに入居すると老人たちの心を支配していく。

ベルリンで暮らすティーンエイジャーのラウラと幼い弟・ノアは、母・エラの生まれ故郷・ザールハイムに向かっていた。叔母・ザーラ(エラの妹)の結婚式を祝うために。
エラの元夫・ルーカスもザールハイム出身で、離婚後に介護士・キムと付き合っていた。ルーカスとキムは、ザールハイムの近くで暮らしており、2人も結婚式に参列するためやってくる。

エラとザーラ姉妹の父親は、現在ザールハイム老人ホームに入居しているらしい。
老人ホームにはキムが勤務しており、彼女の案内でエラとザーラは父親を一時的に退院させて、結婚式は無事終わる。

老人ホームは姥捨山のような扱いになっており、劣悪な環境+入居者の家族が見舞いに来ない場所。ザールハイムの老人たちは、遠くから聞こえる結婚式の楽しげな声に嫉妬・怒りの感情を爆発させ、ラインケに扇動されるがままに施設の職員たちを殺害して村に向かう。

エラとルーカスは2人がかりで、なんとかラインケを倒して拘束し、屋敷に立て篭もる。
ノアが先天性の発作を起こしたことで皆が吸入器を探して彼を救い、キムは"離婚したとはいえ、ルーカスにとっての家族は自分じゃない"と孤独を感じる。

ラインケはそんなキムの心を見抜くと感情を揺さぶり、嫉妬に駆られたキムはエラと2人きりになると彼女を気絶させて屋敷の外に放置。

エラは外の老人たちに襲われ、ノアが泣き叫ぶ姿を見たキムは人間らしさを取り戻す。"取り返しのつかないことをやった"と絶望したキムは窓から飛び降り、老人たちに自分を襲わせることで時間を稼ぐ。

ルーカスはエラを取り返すものの、老人たちによって屋敷に火が放たれる。
ルーカスとエラも老人たちによって殺されてしまい、ラウラは銃を持ってノアと一緒に屋敷の地下にある道を通って脱出。

そこには仲間たちの手助けにより拘束を解いたラインケと(ラウラとノアの)祖父がいた。
ラインケに襲われ死を覚悟したラウラは、家族だけが知っている歌を口ずさむ。正気を取り戻した祖父は、落ちていた銃を拾うとラインケを射殺。

ラウラとノア、祖父の3人は海辺に向かい、ラウラの友人でザールハイムで暮らす青年・アレックスのボートに乗り込んで脱出する。

ラインケに洗脳された老人たちを救えるのは、愛とより大きな喪失感だけ。
祖父の洗脳を解いて救ったのは愛。
老人たちの中には、もう1人洗脳が解けた老婆がいた。彼女は老人たちによる虐殺で孫を失い、孫の遺体を見たことから洗脳が解けたのだ。
果たして残りの老人たちの洗脳を解くのは、愛なのか喪失感なのか。もし洗脳が解けたとして、彼らはこの後どのような人生を送るのか・・・。
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