【生切る】
無形文化財/最期の瞽女:小林ハル。
100年前に障害と共に生きるとゆう事。障害の直裁的困難に加え、付きまとう差別と虐遇。極小共同体の理不尽な慣例=掟。親の心 子不知。
パワハラ/体罰/虐遇を 忌避/排斥する現代の“優しい社会”は 確かに理想かもしれないが、その優しさに胡座を構いてはいまいか。
更に言えば、痛みや苦しみ 暑さ寒さすら体感する事拒む過剰な安心安全社会は、人から修練/自立の機会を悉く奪ってはいないか。
ポリコレ/ダイバーシティ。強制的修練無き今の御時世に、自身を律する事はより困難であろう。
自律とは修行であり、生きるとは生命を切り削る事である ― 本来的/根源的な“人の生”に、三島由紀夫的“生”が過った。
〈追記〉
主題/設定的に講話及び環境音が充実している。吹き荒ぶ地吹雪や激流の轟音。母の叱責等。上映中 度々眼を瞑ってみたが、概況 そして心象は そんな閉眼時にこそ 最も諒解できよう。
《劇場観賞》