じゅ

瞽女 GOZEのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

瞽女 GOZE(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

最後の瞽女・小林ハルさんがざっくばらんに語ってくださった、自らの生涯にもたらされた試練・悲劇・喜び・それとちょっとしたおもしろ小話なんかに基づくストーリーと理解した。
俺の地元にこんな方がいらしたとは。

1900年、盲目の子としてこの世に生を受けたハル。当時は盲目の女性は旅芸人の瞽女として生きる他なかったとのこと。

芸事も家事も全て根性で覚えることが当たり前だったらしい明治の世。鬼と罵られようが愛娘に泣き付かれようが、娘を瞽女にするためきつくあたらねばならなず、娘に鬼のような人と思われながらこの世を去った母の痛みが滲みる。
そんな母の下で育ったハルも気にかけた新弟子に辛い当たり方しかできなかったが、弟子に鬼と言われたことをきっかけに、母の厳しさの正体が自分への愛しみだったことを知る。よかった。

フジ親方の厳しい指導(今で言うハラスメント的な接し方)を受けながら15まで過ごしたために、卑屈に育ったハル。外道の如き振る舞いを見せるサヨに激しい暴行を受けても自分だけで責任を背負い込む姿が痛ましい。新弟子にも優しく接しているらしいサワ親方の下で幼少期を過ごしたらもう少し違っていただろうか。
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