とりん

キャンディマンのとりんのレビュー・感想・評価

キャンディマン(2021年製作の映画)
2.5
2023年55本目

1992年に公開され、シリーズ化もされた同名作品のリブート版。と紹介されてはいたものの、どうやら単なるリブートではなく、ある意味続編的な作品で、1を観ていると上手く対比などもできるらしい。
私は特に過去作を観ずに本作を鑑賞。
ホラー作品だと思い観始めたのだが、途中でホラーメインよりもメッセージ性が主であることに気づいた。
途中までは悪くなかったけど、後半がよくわからなくなった。
キャンディマンに襲われる話かと思いきや、キャンディマンができあがっていく話なのかなとボヤボヤした状態で終了。
黒人差別の話をここまでストレートに描いてホラー映画と化しているのもあまりない気はするが、どこかでちょっとした既視感を感じていた。
観る前まではあまり気にしてなかったけど、スタッフを観てみると脚本がジョーダン・ピールで納得。
この不穏な雰囲気とホラーとの混ざり具合、黒人差別問題への暗示ではなく、主題として強く掲げる感じが彼の監督作にかなり近いものを感じた。本作は彼が監督をせず、ニア・ダコスタという女性の黒人の方が監督を務めている。
ジョーダン・ピールの凄さはわかってはいるけど、彼の作品はイマイチ合わない部分が強い。映像回しや魅せ方とかは好きな部分もあるが、特に本作は脚本だけであるからか、余計に合わなさを感じた。
蜂とのつながりも理解できなかったが、差別的要素をどうやらそこも暗喩しているようだ。
そういう路線で行くなら行くで振り切った方が良かった気がするし、キャンディマンというホラーキャラクターを立てて、織り交ぜるのは悪くないけど、彼の犠牲になった人たちはあまりにも自業自得な気もするし、そこがB級ホラーな陳腐なところでもあった。特に学生の子たちの話はいらなかった気がする。
この後にオリジナル作品を観るとシンクロして作品の理解度が増すのだろうか。
とりん

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