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その住人たちはのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

その住人たちは(2020年製作の映画)
3.8
「その住人たちは」を観ました。
自分でもなぜこんなマイナー映画を観てしまったのか、よくわかりませんが、暇だったのでしょうね。

物語はハビエルという男が主人公。
過去に作った広告で大当たりをして業界ではそこそこの有名人ですが、もう何年もヒットがなく会社もクビになったのでしょう。
昔の栄光を引きずり、その栄光だけを糧に生きているのが、最初のシーンでよくわかります。
プライドは人一倍高く、1年も無職なのに家も車も手放せない、チビでハゲのそんなおじさんハビエルが、とうとう家を手放して、おんぼろアパートに引っ越すところから、物語は本格的に動き出します。

なんせ仕事が減って暇なので、暇つぶしに、名残り惜しそうに前の高級マンションを眺めに行くと、自分が住んでいた部屋に新しい住人が住み始めていることに気づきます。
ハビエルは、幸せそうな家族と時代遅れの自分とを嫌でも比較せざるを得ない。
結果、その家族の幸せをぶち壊しにかかります。😲

狙われた家族は運が悪いとしか言えませんね。
まあ結局、こいつは何がしたいのか?って観ながら思いましたが、とどのつまり暇なんですね。
だから、最初は不法侵入だけだったのに、どんどんエスカレートして、最終的には、、、そこまでするか?という恐怖。😰

途中、侵入した家の中で、見つかりそうになるシーンがあるのですが、なぜかおじさんハビエルを応援している自分に気づいて、あれ?と思いました。
人間、誰しもがこういったスリル、願望があるのでしょうか?
それとも監督が上手いのか?いつの間にかハビエルに感情移入してしまいました。😆

しかし最後の展開は、意外でしたね
別れた奥さんが真実に気づきますが、脅されて返り討ち。

こういう映画って、最後には悪人が必ず罰を受ける終わり方が常ですが、なかなか珍しいと思いました。
脚本、何パターンか用意されていたでしょうが、あの終わり方を選んだ作り手側の挑戦に拍手を送ります。
個人的には、そこをプラスして76点です。
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