koya

ハッピー・オールド・イヤーのkoyaのレビュー・感想・評価

4.5
一時期、日本でもブームになった断捨離。
そのあとも物を捨てる、というのが本になり世界的にベストセラーになりました。

主人公のジーンはスウェーデンで留学した経験からミニマリズムを学び、自宅をオフィスにするのに北欧風のすっきりしたものにしたいと思う。

その為に家にあるものを一切合切捨てようとするのですが、大事なのは「何が大切なのか見極めること」

なんでもかんでも捨てればいい、というジーンは少々身勝手で強気で断捨離を進めます。
人間関係もいらないっ、と捨てられればいいけれど人間の頭はそうそう簡単にはいきません。

プレゼントを目の前で捨てられて、友人のピンクは怒るけれど、逆にジーンが兄にプレゼントしたマフラーを捨てられた時、傷つく。

DVDでは断捨離で有名になった日本人女性が外国人に断捨離のすすめをしている。

付き合っていた彼、いなくなった父、誰もひかないピアノ、ジーンが返せるものは返そうとしたがためにせっかく元の彼氏に彼女ができてもおかしな関係になってしまう。

断捨離を通して、「人の気持を傷つける」「思い出は捨てられない」「本当に大事なものは何か」を問いかける良い映画。

押しつけがましくなく、ジーンが身をもって人を傷つけ、人に傷つけられる姿を淡々と映します。

派手な映画ではないけれど、この映画の佇まいが好きです。
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