新潟の映画野郎らりほう

スカイ・クロラ The Sky Crawlersの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

3.4
【虚無悶々への共感と代弁】


希薄な生の実感は即時的主題であり、空戦のCGIも立体感が十分感じられ見応えがある。 感情の波が無く 淡々とした展開は見る人を大いに選ぶが、テーマ的必然に基づいており肯定的に感じた。

キルドレや平和的見地から見る戦争等 独自設定が目につくが、いずれも現社会危機項目の解り易い訴求である。
20歳くらいにも見えるキルドレは、年齢的・身体学的子供を指すのではなく 精神的大人の到来期を逸した現代社会のメタファーであり、この作品の主力訴求層である10~20代の[精神的イニシエーション無き若者世代]への鏡鳴アプローチ、及びその[悶々下の若者の声成らぬ気持ち]の共感的代弁であろう。




《劇場観賞》