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ファザーフッドのkuuのレビュー・感想・評価

ファザーフッド(2021年製作の映画)
3.5
『ファーザーフット』ーfatherhood
2021年。  109分。
米国映画。
マシュー・ロジェリン著作の
『Two Kisses for Maddy:A Memoir of Loss&Love』(2011年既読)実話に基づいたハートフルで笑えて、そしてエモーショナルなNetflixオリジナル映画。

余談ながら、小生の読書メモにはこの作品の原作本の評価は⭐2(10段階中)。
この作者が今作品以前に書いた、
『attempt to turn [his] sadness into something beautiful 』がとても良かったからなのか、原作評価は低かったっす。
しかし、私的ながら原作に比べ実写化の方はなかなか良かったっす。
映画の作り手の手腕で、成功例なんかなぁと思います。
因みに原作者は米国の白人。
それをケビンハートが演じてるとこには映画界の良くも悪くも思惑があるんかなぁ。。。

ストーリーは、
主人公マシュー・ロジェリン(ケビンハート)の妻リズは、予期してなかった帝王切開での出産に、見守る家族の不安をよそに無事娘を出産した。
しばらくしたある日、急に肺塞栓症を発症し亡くなってしまう。
マットは乳飲み子マディをシングルで育てる決意をする。。。

作家としての原作者は米国人でもあまり馴染みがないかも知れないけど、もう一つの顔、ブロガーの彼なら米国で人気あったし2008年くらいかな日本でも知ってる方もいるかもしれません。
ブログで彼は妻のリズの突然の死とシングルファーザーとして、母親を知らない娘への人生を取り上げてた。
ロジェリンの物語は、People 誌に掲載されて、映画に漕ぎ着けたんかなぁと推測しまっ。
しかし、当初2020年4月3日に劇場で公開される予定やったんが、新型コロナウイルスの影響で延期、最終的にはNetflixが配給権を取得したんやけど、限定的な視聴になるんは残念に思えるかな。

物語のプロット『父性』てのを際立たせれるんは、親性に付随してる責任の多くが女性が担っていることやと思う。
そないな事実に対して、間接的にスポットライトを当てる手法で描かれてるから柔らかく観れたかな。
いくら父親家事参加とは云え、あくまでも参加やし、実際に、先頭きり大部分の家事育児を引き受けてるんが母ちゃん。
それが過去数十年でゆっくりと変化しているとしても、男性はまだ子供を育てることが『できない』と考えられている(中にはほんと一生懸命な父ちゃんもいるのは承知してます)。
映画の中で、マットが上司に、男性が仕事(赤ちゃんを育てるという)にふさわしくない理由は何か尋ねる会話がありました。
上司が云うところじゃ
『忍耐』、
『感情的な脆弱性』、
『胸(バスト)』などだと云う。
マットはすかさず真剣に
『胸は男にもある』と云う。
そんなんは笑い演出やけど、
小生は料理、掃除、そして、洗濯が大好きだし、愛情も深い方だと思う。
しかし、仮に、仕事しながら、シングルで子供を育てていけるかって考えると、やはり直ぐに破綻をきたすやろな。
義母(亡くなったリズの母ちゃん)との問題や、たくさんの奇妙な友人に対処しながら、仕事と親としての義務のバランスを取るのに苦労するシングルファーザーの真剣な描写はなぜか哭けた。
しかし、実際は彼のようには上手く行のは一握り。
多くが解雇される。
世界中の多くの子を身籠った母ちゃんが直面している現実。
野郎ならもっと厳しいはず。
シングルの恋愛事情。
私的ながら、恋愛は必要不可欠やと思うけど、今作品は恋愛事情に時間をさきずぎかなぁと。
サッと流して、その後どないなったか視聴者に想像させて欲しかったかな。
そないなんを織り混ぜた。
意外に棚ぼた作品でした。
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