結局カレー

ホテルローヤルの結局カレーのレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
2.8
田舎のラブホテルを舞台に、訪れる人、働く人の人間模様を描いた作品。

年頃の女の子からしたらラブホの娘って揶揄われるのは嫌だろうし忌み嫌うのもわかるなー。雅代は進学に失敗して就職もできずホテルローヤルを継がざるを得なくなってようやくラブホと向き合うことになる。パートのおばちゃんと3人でする盗み聞きはやっぱり気になるし笑っちゃう。人間辛いことがあっても他人の色恋への興味は途絶えないのね。笑

ラブホテルはひとつの非日常空間でもある。ダサくたってなんだって”日常とは違う”ことに意味がある。いつもと違うからこそパパとママは恋人になれるし、時には辛い現実を遮断できるセーフティゾーンにもなるし、外じゃ会いにくい2人の内緒を育むことができる。日常と違うから話せる本音があって、非日常だから話してしまう戯言もある。別にラブホテルにそんな大層な意義があるわけじゃないけど、ここをあてに生きてる人もいるのかな。うん、人生でこんなにラブホテルに想いを馳せたことはない。笑

題材や設定についてはおもしろいと思えたけどこの物語が何を伝えたかったのか、雅代という人がどういう人だったのかは消化不良。雅代はほんとに当事者になれたのか。あまりピンとくる作品ではなかったな。