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TITANE/チタンのkoyamaxのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
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人間と車の交わり!
みたいな1ワードでほいほい行く自分が悪いのですが^^;、
有機的結合すごい!みたいな、厨二心あおり立てられるのと、違う角度でしたね。。


鉄雄と鉄男に新しい妹が出来たらしい。
じゃあちょっと会いにいくか。くらいな感じで鑑賞(きっと関係はない)したら、こいつは予想外なヤツでした。。



ただ、何度も映画での描写を反芻することで納得できないところも腑に落ちてきたところもあり。。

二周ぐらい廻って、寄り添って考えることができた気がしました。。






以下、ナチュラルにネタバレしそうなんですみません。






車とセックス。
どうやるんだ?というのが、ぶっちゃけ一番の関心事でしたよ。
ふつうにあらすじに描いてますからね。でも、普通じゃないですよ笑
そういう無邪気にぶっ壊れ話かと思ってました。


過激な描写が多く、気持ちが追いつきませんが、、
お話としては、

全ては愛に飢え、真実の愛を求め彷徨うが故の行動。


と、振り返ってみると、色々普遍的で共感できる部分もなくもないです。

ナイフみたいに尖りまくって触るもの皆傷つける不良女性が人に優しくされて気付く愛。
、、、真面目です。





以下は愛ゆえに。。いいたいだけ。


冒頭のクラッシュシーンも人生が超劇的に変わるシーンなので、もっと印象的にやってほしいというところがありましたね。

その後もわりとあっさりしているので、
頭にチタンがあるとどう難儀なのか。
車のクラッシュから人生が劇的に変わるその変容の具合、ここらへんの描写がないので、最初はずっと、主人公がよくわからない人でした。
(狙っているのかもしれませんが、、)



頭にチタンを入れた事と今やっている事、抱えている事の因果関係があまり描かれていないということ、
車に対しての異常な執着心を抱く。の描写があまり無いというところなど含めて、
凝った設定があまり関係ないようにおもえましたし、
逆にエキセントリックな設定のわりに演出が普通に思えてしまいました。。

車と性交とか、ちょっと尖っている。というか、この段階でノーマルではないのだから、絶対気になりますよ。
この気になり方が何かもったいなさを感じました。
その部分を伝える映画でもない気がしましたので。

ただ、そこがメインでないにしても、
無機物の車と交わりというのがメタファーなのだとしたら、はぐらかさず、
これは映画の説得力として、はっきり見せてほしい。とおもいましたね。
(車の中で自○行為しているくらいにしか見せないのは、、どうなのかな。と。そうすると後にでてくるヤツのファンタスティックな説得力もないというか。。)

精神的な因果と肉体の問題は、普遍的なところにおとしこむことでいいのではないかとおもいましたよ。




端折っている事で独特な話になっているとは思いましたが、
一方で、演出としての説得力が不明瞭でエキセントリックなバイアスがかかりすぎている気がしました。

身も蓋もないのですが、やっぱり車とヤルっていう設定とか、チタンと謎の腹のふくらみとか、なくてもよかったんじゃないかと思いました。



個人的にはそういうところの方が好きなんですけど、(大好きなんですけど)
神話を想定したファンタスティックなメタファーでないと絶対駄目な話しでも無かったかなとおもいました。

鉄の塊は監督のバックボーンから発生した創作の元ということで解釈してます。

個人的にはひたすらかんざしで人ヤリまくって、車ヤリまくる謎設定映画で延々観たい感じもありましたが。。

ただ、いつまでもああだこうだと考え続ける事が出来る面白い映画体験でした。


入場者特典でステッカーをもらったのですが、
どこに貼ればいいのか、こちらもいつまでも考え続けることになっています。色合い好きです。
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