成川ジロー

アオラレの成川ジローのレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
4.0
まさに現代のホラー。煽り運転と言うか「無敵の人」の怖さ。どちらにしろキャッチーで、ラッセル・クロウが怪演してて、もし自分にって考えちゃうとマジで怖い。なかなかの出来の佳作。
主人公があまりにも悪手を連続して無関係な人を巻き込み過ぎてどうしようもない気はするけど、まあパニクってるから仕方が無いとと取るか、頭が悪いとシラケてしまうか。正直、ラストの隠れてる息子のところに行くのは頭が悪過ぎると思わざるを得ない。あれだけは許容できない笑
倒し方が最近のアメリカンホラー映画っぽくてちょっと笑った。その後は叔父さんが生きてたとしても、他の死者が多過ぎて全然喜べないし、笑顔で帰路に着くとか有り得ないなーって思った。まあこの主人公も相当性格悪いからね。
ラストで言ってることがバック・トゥ・ザ・フューチャーと同じなのもちょっと笑った。まあ大切なことだよね。カッカしないと言うのは。

失うものが何も無い、所謂「無敵の人」と言うのは本当に怖くて、ラッセル・クロウのお陰もあってそこは存分に描かれていたと思う。この法に守られた社会の中で、法による縛りを恐れないヤケクソ状態は煽り運転でも通り魔でもマジで怖いし、「キ〇ガイ」とレッテルを張って隔離するにも時間が必要で、こうやって話が通じず暴力で関わってきた場合、こちらもそれ以上の暴力で制する以外、速攻性のある対処法って無いから。警察呼んでも来る間に殺されたら終わり。この可能性がゼロでは無い限り、自分や自分の大切な人が危害を加えられるのを防ぐ確率を上げるため、護身術は辞められないなと常々思う。

主人公にイライラするけどスリリングな映画としてはちゃんと仕上がってるので、普通にオススメです。
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