三郎丸

ヤクザと家族 The Familyの三郎丸のレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.7
【タダ見。その①】

先日、タダチケゲットしたので…自分の直感で作品チョイス!

お話は、
1999年2005年2019年と3つの年代からチンピラ主人公がヤクザとなり、組事務所という【家族】が、時代とともに変化していくさまを描く…

ヤクザが肩で風切る(ヤクザ者にとっては)古き良き時代と、暴対法後の現在に至る迄のお話を、主人公の綾野剛が熱演です。

この作品のポイントとして、
【綾野剛氏が直面する現実を捉えた顔】
をカメラが主人公を背後から回りこむパターンでアップを撮るのですが、毎回綾野剛氏の表情が違って、さすがです。
なかなか難しいことをサラっとやってます。
勢いのある時代を貫禄充分に、また、ヤクザ稼業の衰退で枯れた演技を、どこを切り取っても色香がありました。
正直イケメンではないと思うのですが、それを俳優の才能がどうでも良いことにしてます。
改めて、凄く良い俳優さん!

ヤクザの親分役に舘ひろし氏
とにかく主人公を愛し、包む。
手足が長いから、何を着てもさまになります。

尾野真千子
色々な意味で綺麗過ぎたか…
絶望的な表情は素晴らしかった。
【真摯、真面目に生きる人】
であるならば救いはあるはず。それを描かないのはちょっと可哀想ゾーンに傾け過ぎたかな…

主人公の代わりに後半勢いを出す磯村勇斗。
勢いのあるヤンチャ者に見えた。
特に
【(主人公のことを)語ろうか?】
のセリフのときの顔が良い!!
みなぎる若さよ!

この作品には、時代とともにヤクザの移り変わりと悲哀があり、主人公含めヤクザに救いはなかったように思います…が、
作中でヤクザになった理由を
「男を極める!」
と言うセリフがありましたが、ヤクザにならないと男は極められないのでしょうか?
暴対法によって世間は厳しいって展開でしたが、今までそれだけ世間に迷惑をかけてきただけじゃない?
色々なことやってのけて、羽振り良かった組事務所沢山あったと思いますし。

世の中が変わり、ヤクザが出来なくても、地道に頑張り、生きていくしかないわけで、ずーっと当たり前に頑張ってきた人と
【同じライン】
にいるわけじゃないのは当たり前!!
後半の肩身が狭い感じってのはちょっと感情移入出来ないです。
ワタシ自身、この手の人を見てきた記憶もあるので勘弁ください。
舘ひろし演じる組長が
「ヤクザしか出来ないヤツもいる」
というのはウソです。

綾野剛氏のファンにはオススメです!
三郎丸

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