馬井太郎

イングリッシュ・ペイシェントの馬井太郎のレビュー・感想・評価

4.3
クリスティン・スコット・トーマスが、初めてスクリーンに登場した時、さしたる美人に見えなくて、がっかりした。眼のくぼみと顎骨ばかりが気になった。
やがて、レイフ・ファインズと出会い、パーティーでのダンスから、彼の強烈な誘惑に引きずられて、徐々に恋の蟻地獄にはまっていく。この過程の中で、クリスティンがどんどん美しくなっていくのに、私は驚かされた。こんな見事な変貌を、映画というなかで初めて見た気がしたのである。女性は、恋に熱中すると、本当に美しくなる。世の女性軍よ、大いに熱い恋をせよ!(実は、若かりし頃、ブスだったけど、成行きにまかせてやっちまった女がいた。その後、1週間もしないで会ったら、まるで別人のように綺麗になっていた・・・こんな嘘のような話、どうでもいいやね)
負傷兵役エキストラのひとり、薬よりキスで治る、などと言って、ピノシュの唇をもらった。うらやましい役をもらったものだ。
時があっちこっちに動くので、時系列を整理しようかとも思ったが、やめにした。
そんなことより、歳のせいか、封切りの頃は出なかった涙が、このごろは、とめどなくあふれてくる。