ケイスケ

奈落のマイホームのケイスケのレビュー・感想・評価

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)
3.5
予告の「お家に帰ろう😭家はここだけど😭」を観るたびに笑ってた。この字幕は本編には無かった…よね?

サラリーマンのドンウォンは、11年にわたる節約生活を経てソウルにマンションを購入する。部下のキムらを招いて引っ越しパーティーを開くが、大雨による巨大な陥没が発生してマンション全体が地下500メートルへと落下してしまう。大雨が止まずに穴がどんどん水で満たされるなかドンウォンはキムや隣人マンスらと力を合わせてマンションから脱出しようとする。

ビー玉が転がったり蛇口の水が出なくなるなど欠陥住宅の予兆は序盤から丁寧に描いているが、急に陥没が始まるからかなりビックリした。しかも序盤はパーティシーンなどゆるーいホームコメディが映されるもんだから、余計に前フリが効いてて緩急の付け方がとても良い。

…んだけど緊迫したタクシーのくだりでも「ポンポンポコポン♪」みたいな変なBGMが流れてるから基本はコメディドラマですこれ😅なのでスペクタクルなパニック映画を期待して観ると「あ、そういうテンション?🙂」となるかもしれませんね。ここは好みが分かれるところかな。『EXIT イグジット』とかもですけど韓国のパニック映画はこういう展開が多いかも。

でもディザスターシーンはかなり力が入っており見応え抜群でした。さすが『ザ・タワー 超高層ビル大火災』のキム・ジフン監督といったところ。前述したように基本はコメディなのでこの手の映画によくいる「自分だけ助かりたい!」みたいなクソ野郎はいなく、極限状態で必死に協力し合う登場人物たちに胸を打たれますね。チャ・スンウォン演じるマンスと息子のやり取りが良かったなあ。

ちょっと惜しいと思ったのは救助隊側の描写が薄かったこと。救助隊メンバーに誰か一人でも魅力的なキャラ、もしくは主要キャラの身内でもいれば地下側と地上側に緊迫感が出てもっと面白かったと思います。観終わったあとは清々しく、やたらポップなエンディング曲も良いので誰が観ても割と楽しめる作品じゃないかな。面白かった!😆