通常版のみ以前に鑑賞。
その時は、先の展開が見えないので、ハラハラドキドキしながら観た。
今回圧倒的な長さのドラマパートが追加されたのに、通常版を知った状態で観ると、もうなんだか最初から最後までニコニコ、ニヤニヤ、ニンマリの連続で、こんなに楽しい戦争映画体験ってあったろうか。
それはもはや「痛快娯楽戦争映画」ですらなく、「ひたすらに可愛い映画」としか思えない域に達している。
それはひとえに、ニコライLOVEなクラウスによるもの。
もうこれに比べたら、室戸半兵衛もデスラーも霞んでしまう。
白眉は、クラウスが嬉々として「自宅デート」にニコライを誘う場面。
「イヴシュキンって呼び方堅苦しくない? あ、そうそう。クラウスとニコライ、語源一緒だよね。うん。じゃあさ、二人合わせてニコラウス! なんっつって!」などと照れてヨレヨレの発言をした後に、どさくさ紛れに「ニコライ」と呼んじゃうクラウスさんに観てるこっちが萌え死ぬ。
もう溜まらん。
劇場で笑いを堪えるのが一苦労でした。
通常版でのクラウスの最期は結構しんみりしてしまったんだけど、今回はそこすら主役二人に「いよっ! 千両役者!」と掛け声を掛けたくなった。
クラウスは始終ツンデレなんだけど、ずっと「ツン」だけだったニコライがここで、究極の「デレ」である「ニコラウス!」って呼びかけちゃうところ。なんとも「オム・ファタール」じゃありませんか。
もう、「それだけでご飯三杯はいけるっす~!」と言いながら逝ってしまうクラウスさんの気持ちがよくわかる。ん? そんなセリフはなかったって? いやいや、俺には聴こえたよ!
本作では、クラウスさんの「ニコライが無理ならせめてアーニャ!」という、「あの子のお気に入りのオモチャをこっそり壊しちゃえ!」の描き込みが増えているので、そこもいじらしい。というか微笑ましい。というか、もうニヤニヤが止まらない!
今劇場にかかっている3時間クラスの映画といえば、大林さんの遺作である超弩級の反戦映画も大傑作なんですが、その対極にあるこっちもやっぱり大傑作ですわ!
看板に偽りなしの「最強」映画でした。