サラリーマン岡崎

夏への扉 ―キミのいる未来へ―のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

3.9
変にCG多様化して、大物俳優取り揃えて、ヘンテコになっているSFが多い邦画の中で、
今作はとてつもなくこじんまりしているけれど、だからこそ調和が保てている新しい邦画SFの走り出しになる作品になると思う。

物語はとてもプライベートな内容。
好きな人を次元を超えて救うというバタフライ・エフェクト的話。
SFだからといって、大掛かりにすることもなく、メインの登場人物以外のシーンもあまりない。
セットもヘンテコなCGはあまり使わず(2025年の夏菜だけヘンテコだったけど、あれはあれでこの作品っぽくて良い笑)、1995年もレトロな雰囲気は残しながら未来感を出しているのが、90年代のハリウッドのSFのテイストと似ていて、欲張っていないのがとても良い。
2025年も今から4年後なので、そんなに大きく変化はない様に描いていて、そこも欲張っていないのがとても良い。

そう、欲張りすぎていないのがとても良い!!!
そのせいで確かに物語として盛り上がりがかける部分はあるかもしれないが、
でも、ヘンテコな映画になるよりはずっと良い。
むしろ、こじんまりしているので、藤木直人や夏菜などの登場人物の「キャラクター」で面白さを引き出せていて面白い。

まぁ、物語はもうキャッチコピーにも書かれているから、大体予想はつくけど、
手法として、邦画に見合った方法で作られているのが最大のこの作品が成し遂げた功績だと思う。
こうやって、「日本映画らしさ」をどんどん追求して、韓国映画の様に世界に羽ばたくことができることを祈っています!!!