はまたに

ウルフウォーカーのはまたにのレビュー・感想・評価

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)
4.4
小さい頃に絵本で読み聞かせられた「よぶこどり」って童話を思い出しちゃったな(嫌いだけど)。

人間と狼。戦争と信仰と神の世界と、血と自然と精霊の世界のよからぬ巡り合わせ。邂逅。キリスト教とアニミズムのバッティングが民間伝承として形成されたのかな。

『ソング・オブ・ザ・シー』の監督の新作なんで絵柄はほっこりとかわいらしい。そのタッチのやわらかさは時に荒々しく乱されることで、狼の野性やシーンの緊迫にくるっとひっくりかえる。不思議だったのは、主人公ロビンがやたらと美人に見えたこと。面長で、鼻と口なんて一筆書きなんだけど、なぜだかすごく印象的。青い瞳と、それを含めた繊細な表情がそう思わせるのかな。

ちなみに、よぶこどりとの共通点は愛からの末に己ならざる者への変態を遂げるところ。

ちなみに、よぶこどりが嫌いなのは読むとオカンが必ず泣く、どうしていいかわからず困る、オカンひとしきり泣いてすっきりして先に寝る、夜に一人取り残されて悲しい怖い、時計の音だけチクタク…。3〜4歳のワイ、かわいそう。ちゃんと寝かしつけろや! という理由です。狼よりも強い怒りで咆哮するわ!
はまたに

はまたに