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ボヤンシー 眼差しの向こうにのkazu1961のレビュー・感想・評価

3.8
▪️JPTitle :「ボヤンシー 眼差しの向こうに」
ORTitle:「Buoyancy」
▪️First Release Year : 2019
▪️JP Release Date : 2020/08/07
▪️Production Country : オーストラリア
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-203
🕰Running Time : 93分
▪️Director : ロッド・ラスジェン
▪️Writer : ロッド・ラスジェン
▪️MusicD : ※※※
▪️Cast : サーム・ヘン、タナウット・カスロ、モニー・ロス
▪️Review
🖋観てるのが痛いですね。。。オーストラリア出身のロッド・ラスジェン監督が自らが長年にわたって取材してきた奴隷労働の現実を映画としてフィクションに落とし込んだ作品です。社会で起きている問題、強制労働や搾取の現状、現代社会における奴隷制といった問題に鋭くメスを入れながら、映画として主人公の少年の過酷な状況のなかでの生き方、心理描写、さらに観終わった後に彼に感情移入できるのか?など主観的に引き込まれる作品でもあります。

🖋 主人公のチャクラを演じたサーム・ヘンは、奴隷として船の上で絶対的な権力を持つ船長のもとで働きながら徐々に人間性を失っていく姿を見事に演じています。また、全編クメール語とタイ語で描き上げることによりよりリアリティを追求しています。

🖋結果、第69回ベルリン映画祭のパノラマ部門、さらに第92回アカデミー賞の国際長編映画賞に豪代表作品として選出されました。

🖋物語は。。。
自分の境遇に納得がいかず、カンボジアの片田舎からタイへ密かに出てきた14歳の少年、チャクラ(サーム・ヘン)は、友人に紹介されたブローカーによって身売りされ、漁船の奴隷になってしまいます。そこで待っていたのは、1日22時間の労働と、絶対的な権力を持ち、歯向かう者や衰弱した者を見せしめのごとく拷問し、殺し、海に捨てていく船長。陸から遠く離れた船上から逃げ出すこともできず、非人間的な環境と拷問の恐怖に怯え、次第に人間性を失っていくチャクラが生きるために選んだ手段とは。。。

▪️Overview (映画. comより)
カンボジアの貧しい田舎からタイへ出稼ぎにきた少年が体験する過酷な強制労働の体験を、取材に基づく事実にフィクションを織り交ぜて描いた人間ドラマ。オーストラリア人監督ロッド・ラスジェンの長編デビュー作で、全編をクメール語とタイ語で描いた。第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門でエキュメニカル審査員賞を受賞。「消えた画 クメール・ルージュの真実」などのドキュメンタリーで知られるカンボジアの映画監督リティ・パンが製作総指揮に参加している。カンボジアの田舎の貧しい家庭で生まれ育った14歳のチャクラは、労働の担い手としか扱われない自分の境遇に納得できず、ひとり家を出る。仕事を斡旋してくれるというブローカーに連れられてタイにやってきたチャクラは、そこで奴隷として漁船に売り払われ、劣悪な環境下での労働を強いられる。陸から遠く離れた海上で助けはなく、船長に歯向かった者や衰弱した者は拷問され、殺され、海に捨てられていく。絶望的な状況下でチャクラの心は摩耗し、人間性は失われ、破壊的な衝動が生まれていく。そして、そんなチャクラは、生きるためにある手段をとる。
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