このレビューはネタバレを含みます
ブローカーに斡旋され青森で不法就労者となったベトナム人女子たちのお話。といって焦点はほぼフォン1人。
日本で搾取されるベトナム人たちの実態を告発するような内容と思いきやそうでもなく。最後にはフォンの個人的な世界に落とし込まれているようでした。
全編手持ちの撮影で臨場感は出ていましたが、リアリティが上手く出せているようには思えず。風景までハンディにする意味あるかな…?
ベトナム人コミュニティの発達具合がよく分からなかったり、来日3ヶ月で問診票書けるとか凄すぎん?と思ったり。時間の感覚も上手く伝わってこない。大きな病院行くのにどうやったらリンゴ畑に迷い込むのか?長回しも効果なく。
フォンに焦点を当て孤立を際立たせる道具としての妊娠というのも納得いかず。そもそも普遍性を描き出すには力量不足な感が否めず、一方で在留ベトナム人の実情を描くなら報道やドキュメンタリー以上のことができるはずもなく。
試みは理解できるものの、その苦境や困難や悲哀に迫真性が全くなく、何がしたかったのか分からなかった映画でした。