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11月1日のtetsuのレビュー・感想・評価

11月1日(2019年製作の映画)
3.5
SSFF & ASIA 2020 秋の映画祭 オンライン会場で鑑賞。

息子を殺した男の死刑を求め続ける老婆。
彼女と共に28年間の時を過ごした娘が抱く思いとは……。

息子の復讐に人生の全てをかけた女性と、それとは、また違った立ち位置で、彼女を支え続けた娘。

人に当たり散らし、レストランでは大声で騒ぐ。
そんな老婆の姿には、観ているこちら側も疲弊してしまう部分があり、かなり、娘目線で鑑賞していた。

ただ、一方で、その事件以来、母親が癇癪持ちになってしまったとは思えず、息子に充分な愛を注ぎきれなかったからこそ、このような態度を続けていたのではないかとも思った。

事件云々とは関係なく、かなり苦手なタイプの人格描写だったため、もし、自分が彼女の子供だったら、なんとかして、距離を置こうと思うだろうなぁ~と思いつつ、血縁という理由で、28年間、彼女を見捨てなかった娘の気持ちも分からなくもないなぁ~、という複雑な気持ちになった。

作品全体としては、大きな展開もなく、ひたすらモヤモヤが続くので、決して好みではなかったが、短編映画とは思えぬ重厚感は確かなもので、ジョージルーカスアワード(今回のショート ショート フィルムフェスティバル & アジアのグランプリ)獲得には納得した。
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