ぐりんでる

シカゴ7裁判のぐりんでるのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.2
👨‍🎓~~
ベトナム戦争への反戦デモの最中発生した暴動。
その暴動を煽ったとし、反戦を訴える各党の代表7人が訴えられ裁判にかけられる。

その裁判は前代未聞の悪意に満ちたものであった…
~~🇺🇸

「ペンタゴンペーパーズ」見ておいてちょうどよかったなぁ〜おかげでベトナム戦争についてちょっとした予備知識がある状態になっていた。1ミリくらい。


暴動の煽動者として訴えられた7人は、それぞれ思想ややり方の異なる派閥同士でも戦争反対という想いは同じ。

この映画ではこの裁判のホフマン判事が悪徳のクソ野郎として、始終俺の血管をぶちぶちと切れさせてくれる。

この野郎、人種差別、権力濫用、被告寄りの陪審員処理のための脅迫の捏造などと、
有罪にしたいがため全く平等でない裁判を執り行う。もう裁判じゃないよねこれ…

そんなんで事あるごとに理不尽な裁定を下されそうになる被告側は、ふざけすぎでもあるけど歯向かう度に、脅しと抑止のために何度も法廷侮辱罪を課せられる。

司法がなんたるか、法を権力者の思惑、私利私欲に使うならこのホフマン判事こそが法廷侮辱罪じゃなくていいの〜?

法が人を守るんじゃない、人が法を守る。だから、個人か集団でも一方がいいように利用することはあっちゃいけない、もうそれは法の秩序になってないよ

誰しもがそんな最低限のことわかってるから怒りを覚えて、立ち上がる。俺も立ち上がる(座ったまま見てたけど)。
そもそも戦争なんかで若い命を散らすことのないように、訴える人々の声を上にいる人が聞かない、ましてや潰しにかかるとはどう言った世の中だろう…😬

反戦の運動で生じた暴力は許されないのに、戦争っていう圧倒的暴力は推し進められる…

このベトナム戦争は国家のプライド、国の威厳のために政府が国民を騙し続けていた戦争でもあるらしい。
「アメリカ政府は若者の命を無駄にするようなことはない、戦況は良くなっている」などと嘘をつき続け、実際には目論見に反して、戦況が改善どころか激化し泥沼化しているにも関わらず徴兵し戦争を維持し続けていた。

人がいてこその国なのに、その人々の命を安く見積る。本末転倒のようなことに思えるけど、それが戦争で国が病んでるということなのかな、

この酷い判事もそういう無益な大義に取り憑かれてるんだろうか、
戦争がどうなっているかなんてのは知らされてもいないだろうけど、国への忠誠心が悪意と化してるように思える。そもそも人種差別するようなゴミのクソではあったが。


この裁判、弁護士が隙を突き気持ちのいい逆転劇を見せるという、
ちょっとそういうの期待しちゃってたシンプル脳・単細胞の俺のことは法廷侮辱罪にしないでね。すりすり。

これは勝つか負けるかが重要なんじゃない、彼らがなぜいろんな想いで反戦を訴え続けてきたか、尊ぶべきものは命、失われる命が一つでもあるのなら戦争に勝利なんてものはない。
😏😏😏

そんなこと思ってしまうような、エディのレッドメインな演説に胸打たれた。