ケイスケ

オールドのケイスケのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
4.0
“シャマラニスト”の端くれとしてシャマラン作品は必ず映画館で観るようにしています。好きなシャマラン映画は『サイン』と『レディ・イン・ザ・ウォーター』です。『ヴィジット』『スプリット』あたりから評価も持ち直してきたようで嬉しい限り😆

バカンスを過ごすため美しいビーチを訪れ、それぞれに楽しいひと時を過ごすキャパ一家。そのうち息子のトレントの姿が見えなくなり、捜してみると彼は6歳の子供から青年へと成長した姿で現れ、11歳の娘マドックスも大人の女性に変貌していた。不可解な事態に困惑する一家は、それぞれが急速に年老いていることに気付く。

公開初日に観ましたが地方の映画館のレイトショーの割にはかなり入っていました。地元にシャマランファンがそんなにいるとは思えないので、予告が惹きつける内容だったんだと思います。言っちゃえばワンシチュエーションのアイディア勝負の作品ですが、15分に1回くらい「えっ🤭」とか「あっ😣」ってなる展開が続くので間違いなく飽きずに最後まで観れるはず。特に真ん中あたりで起きるあの展開ね。あそこすげー気まずくなる。

『スプリット』『ミスター・ガラス』でもシャマランと組んでいるマイク・ジオラキスという人のカメラワークが非常に上手いと思う。『イット・フォローズ』『アンダー・ザ・シルバーレイク』などでも活きていた、遠くに人がいて「え?なになに?😨」と不安にさせる映像表現がかなり怖いですね。ラッパーの人とか普通の人なのに最初の見せ方が怖いよね。

映画って登場人物の状況に自分を置き換えて「うわー絶対に同じ目に会いたくない」って楽しむのが醍醐味の一つだと思いますが、本作はトップクラスですね。映画は108分ですが映画館を出る頃には1年くらい老けた気持ちだったもん。そして家族の再生を描く点でも非常に優れていたと思います。あとシャマラン映画には珍しい直接的なショック描写もありましたね。腕や脚が…ギャー!😱

やはり本作は『老い』をテーマにしたのが秀逸だと思います。人は少なからず自分や他人の老いていく状況を怖いと思ったことがあるだろうし、劇中のクリスタルというキャラのように歳を重ねるにつれ自分の顔が老化することに耐えられない人もいるはず。そして生きていれば誰にでもいずれ訪れる逃れられない死。これらが上手く噛み合ったシャマランの新たなる傑作だと思います。

ちなみにシャマラン映画と聞くとどんでん返しを期待する人もいると思いますが、一応この映画にも付いています。でもこれ『アス』並に「ん?🤔」ってなるというか、ツッコミポイントなので多分シャマランはオマケで付けたと思いますね。そこは重要な展開じゃない作品なので、その展開を批判している人には「大目に見てあげて!」と擁護したくなるファンなのでした😉笑。