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無聲 The Silent Forestのkazu1961のレビュー・感想・評価

無聲 The Silent Forest(2020年製作の映画)
4.2
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-217
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋声の出ない恐ろしさ、音の聞こえない恐ろしさ、そして健常者からの差別。。。そんな事を思いながらも、性的虐待を受け入れざるを得ない“負の連鎖”。。。本作を観て韓国作品の『トガニ 幼き瞳の告発』を思い出し、同様の大きなショックと観終わった後の言いようのない胸糞な気持ちが尾を引きました。。。ラストまで強烈。。。

🖋台湾南部のろう学校で実際に起きた、性的暴行・セクシャルハラスメント事件を題材にして、事件について綿密な調査を行った上で、コー・チェンニエン監督が映画化した作品。それだけにこのほとんどが実際あった事だと思うと本当にかやるせない。しかしながら聾唖者の置かれている環境の問題提起という意味では圧倒的な強さで描いた作品、観る我々が何かを感じるべき作品なんでしょうね。再鑑賞はしたくはないですが、メッセージを伝える映画としては素晴らしい作品だと思います。

🖋また思春期の子供たちが持つ危うさも同時に描いた作品で、そういう意味では強烈なメッセージを残す青春映画として捉えることもできます。それは出演している若い俳優たちが演じる“やるせなさ”の演技がとても素晴らしいから。とにかく観終わった後も心が揺さぶられる作品なので見る覚悟がいる作品だと思います。

😱Story:(参考: 公式サイト)
普通学校から台湾南部のろう学校に転校してきたチャン (リウ・ツーチュアン)。この学校の生徒たちは、皆が幸せそうに過ごしている。同級生のベイベイ(チェン・イェンフェイ)と他愛もない話ですぐに打ち解けたチャンは、新たな生活に期待を抱いていた。ある日チャンは、ベイベイがスクールバスで複数の男子生徒から性暴力を受けている現場に遭遇してしまう。信じられないことに、その後もベイベイは、生徒たちと何事もなかったかのように遊んでいるのだ―。その実態に困惑し、みんなと離れて行動するチャンの異変に気が付いたワン先生に真実を打ち明け、彼女を救ってほしいと嘆願する。ベイベイは、友達を裏切りたくないと頑なに話をしたがらなかったが、それは現状を諦めているからではなく、周りの大人たちが変わらなければ、どうすることも出来ないことを理解していたからだった。これまで彼女は、何度も助けを求めながら、一人で抱えきれないほどの苦しみを背負い込んできたことを知ったワン先生とチャンは、何があっても彼女を守らなければならないと決意を固めた。早速校長にベイベイの被害を訴えるが、まともに取り合ってくれないどころか、過去にも同様の事件があったに違いないと悟ったワン先生は、生徒達から聞き取り調査を始めた。その結果、性暴力・セクシャルハラスメント被害の件数は127件にものぼった。主犯格とされるユングアン(キム・ヒョンビン)に話を聞くが、他の生徒とは違い、<俺は何もしていない>と加害者であることを認めない。そんな中、マスコミが学校の実態を取り上げ、凄惨な環境であることを世間に知らしめたが、学校は事件の真相を隠蔽する。事件解決のため、奔走するチャンとワン先生、またも被害を受けてしまうベイベイ。それぞれに待ち受ける未来とは…。

🔸Database🔸
・邦題 :『無聲 The Silent Forest』
・原題 :『無聲 The Silent Forest』
・製作国 : 台湾
・初公開 : 2020
・日本公開 : 2022/01/14
・上映時間 : 104分
・受賞 : ※※※
・監督 : コー・チェンニエン
・脚本 : コー・チェンニエン、リン・ピンジュン
・原作 : ※※※
・撮影 :
・音楽 : ルー・ルーミン
・出演 : リウ・ツーチュアン、チェン・イェンフェイ、リウ・グァンティン、キム・ヒョンビン、ヤン・グイメイ、タイ・ボー、チャン・ペンユー

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
台湾のろう唖学校で実際に起こった性暴力事件を真正面から描き、アジア各国の映画祭で話題となった社会派ドラマ。聴覚障害をもつ少年チャンはろう唖学校に転校し、学校の設立100周年のパーティで見かけた少女ベイベイに心ひかれる。後日、スクールバスに乗っていたチャンは、バスの一番奥の席でベイベイが複数の男子生徒から性暴力を受けているところを目撃してしまう。ショックを受けるチャンに、主犯格の少年シャオは、その性暴力が「ゲーム」であると語るが……。監督は、Netflixでも配信されたドラマ「暗闇は目を閉じて」などを手がけ、長編映画はこれが初となる新鋭女性監督コー・チェンニエン。台湾のアカデミー賞ともいわれる金馬奨で8部門にノミネートされ、ベイベイ役のチェン・イェンフェイが最優秀新人女優賞を受賞。日本でも2020年・第21回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品された。
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