このレビューはネタバレを含みます
第一次大戦頃から現代までのトーマス・ハイゼの家族の書簡の朗読というお話。頻繁に映される貨物列車は、流れる歴史と人民の比喩…?
朗読される内容に合わせて、多くの場面で婉曲的な映像が使われます。無関係な映像ということはなく、比喩になっていると思いますが、かなり眠い…。
書簡は基本的に私的なものですが、家族史とドイツ史、両方が高度に融合しているようなつくりは面白かったです。母ロージーの元恋人、ウドのめんどくささは別の意味で面白い。何でここに長い時間使ったのか謎でした。
終盤は理想主義的な視点を見せますが、さすがにセンチメンタルに過ぎるようにも感じました。しかし、再統一後のドイツにおける東独側の目線という意味では興味深いものがありました。
退屈極まりないのは間違いなく、ドイツ国内向けの様相もかなり強いですが、世界史的出来事を個人史的目線角度から見るという試みがインパクトを与える作品でした。