サイコ映画のお手本のような作品。
最後の殺人を別人格に委ねて完成させるストーリーは恐ろしい。
個人的には洋画特有の人物像の分かりやすさが少し目に余るものがあり、ブラッドピット演じるミルズがあまりに感情で動きすぎている点が誇張されすぎてて気になる。彼に七つの大罪の憤怒を背負わせるため、この人物設定は仕方ないのかもしれないが、この長尺の中、ひたすら犯人に踊らされている姿は、もう少し攻防のようなものを期待してしまう自分にとってはもどかしさを感じた。
一方、モーガン演じるサマセットの最期の事件としてみると、この結末には痛み入る。わざわざ2人を荒野に連れて行き、七つの大罪の目撃者としてサマセットを選んだ胸糞さも見事。
サマセットの言う通り、犯人の圧勝を魅せつけられる、サイコもののある意味あるべき姿を見た気がする。
