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ホムンクルスのsingerのレビュー・感想・評価

ホムンクルス(2021年製作の映画)
2.8
山本英夫原作の漫画っていうと、「のぞき屋」や「殺し屋1」を読んでたし、今作も人気になっていたの知ってて、興味を持っていた作品のひとつ。
しかも、監督が「呪怨」などのジャパニーズ・ホラーで知られる清水崇っていうもんだから、個人的にはとても期待を背負っての鑑賞となりました。

でも、これは物凄く惜しかったなぁというのが正直な感想ですね。
多分、原作コミックスの幾つかのエピソードを重ねたようなストーリー展開なんだろうけど、それぞれの事情の解決が、どうもスッキリしなかったし、心を揺さぶられるような感動も、人物の背景も、物語の深みも感じられなかったし、そのままラストまで進んでしまったなぁという感じ。
題材や設定、物語の切り口は、とても興味を惹かれるものがあっただけに、ストーリの広げ方やキャラクターの描き込みについては、ちょっと不足感が否めなかったのが、残念な所でした。

キャスト陣で注目したいのは、やっぱり成田凌かなぁ。
こういう怪しい役柄も、だんだん板についてきたような感じで、その演技の幅の広さを改めて実感させられました。
でも、正直言うと、怪しいメイクや、装飾物とか、そういうのが余計に感じたし、外見に奇抜さを過剰に出し過ぎたのが、却ってあからさまに感じてしまったのがマイナスだったかなぁと。
もっと一般人に紛れているような人物像で、伊藤を演じた方が、彼の持つ内なる狂気を強く際立たせられたんじゃないかなぁと思ってしまいました。
後、関係ないけど、岸井ゆきのさんが出てくると、やっぱり「愛がなんだ」を凄く意識してしまって、なんかリアリティを感じ難くなってしまったのも、ちょっと素直に作品に入って行けない部分でしたね。
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